熊本市中央区の船場菅原神社から盗まれたのは、シンボルともいえるタヌキの置物でした。神社に設置された防犯カメラには、その一部始終が記録されていました。
【船場菅原神社 総代 冨重 貞さん】
「『船場山にはタヌキがおってさ』という手まり歌にゆかりのある神社。タヌキと縁のある神社だと定着してきた、そのような中、まさか盗難に遭うなんて…」
６月１６日、熊本市中央区の船場菅原神社に設置された防犯カメラの映像です。
不審な人物が何かを物色しています。
そして、この２日後、同じ人物が再び現れ、何かを袋に入れる姿が記録されていました。
この神社には、全国から奉納・寄進された１５体ほどのタヌキの置物が置かれていました。しかし「６月に入り、その数が５体ほどに減ってしまっていた」と、神社を管理する冨重 貞さんは話します。
【船場菅原神社 総代 冨重 貞さん】
「皆さんが思いをもって寄進してくれたタヌキが減っていくのは、これはいかんな、と」
防犯カメラの映像から、先ほどの不審な人物がタヌキの置物を盗んだことを確信した冨重さんは、６月１９日、警察に被害届を提出。
冨重さんによりますと、不審な人物は６月２１日に特定され、その後、置物も返却されたということです。
しかし、再び盗まれる可能性があることから、以前まで置かれていた場所に現在、タヌキの置物の姿はありません。
【船場菅原神社 総代 冨重 貞さん】
「盗んでいった人間を憎むとか、そういった思いはない。ただ、神様に奉納されたものを勝手に持って行って盗むのは天罰が下る、バチがあたる」
神社のシンボルともいえるタヌキの置物。「いつか再び入り口に並べて参拝客を出迎えたい」と冨重さんは話していました。
