出産が近づく安佐動物公園のマルミミゾウ「メイ」。
出産準備に欠かせない「ゾウ専用ミルク」の秘密に迫りました。
安佐動物公園でいま注目される1頭のゾウ。
木の枝を鼻で持ち上げむしゃむしゃと食べるマルミミゾウの「メイ」です。
■赤ちゃんが時々お腹を蹴る
【1週間に1度きている人】
Q:きょう姿を見て
「変わりないから安心している。最初は横に広がっていたが(最近は)下に大きくなってきているような感じがしますね。「メイちゃんが子ゾウを連れて歩いている姿はぜひ(見たい)」
今年の夏から秋ごろに出産を控える「メイ」。
【動物園の担当者】
「お腹はよく見てみると時々赤ちゃんがお腹の中を蹴る様子も見える」
■クラウドファンディングに3000万円
出産・子育てへの支援を募ったクラウドファンディングは3000万円を超えるお金が集まりましたが、この週末、動物園には、10万円以上支援した人や団体名を記した芳名板が設置されました。
支援をした動物専門学校の校長は…
【広島アニマルケア専門学校・大津晴男校長】
「すごく指折り数えて待っている楽しみです。広島でゾウが生まれること自体すごく全国、世界への発信になると思うし、それがマルミミゾウという希少動物の出産ということで何十倍も素晴らしいことだと思う」
■ゾウ用のミルクを準備
出産に向けた準備も着々と進んでいます。
「よいしょ…ガラガラガラ」
倉庫の中に積み上がるのは人工哺育を想定した3か月分の「ゾウ用ミルク」…。
【広島市安佐動物公園・野田亜矢子動物診療係長】
「いわゆる粉ミルクなのでこんな感じのパッケージに入っています。国産で手に入るというのがすごくありがたい」
製造したのは森永乳業の子会社、「森乳サンワールド」。
犬や猫のペットフードを主としてパンダやクマ、アザラシなどのミルクも手がけ、ゾウ用はこれまで5つの動物園で行われた6度の出産で納品したといいます。
【森乳サンワールド生産業務部・田中智弘さん】
「(母乳を分析し)ゾウのミルクはグルコサミンが非常に多いというのが弊社の研究で判明し、グルコサミンを強化したりしている」
■母乳にはグルコサミン成分が
赤ちゃんゾウが生まれてすぐに重い体重を支えられるようグルコサミン成分が多いと考えられています。
【森乳サンワールド生産業務部・田中智弘さん】
「あとは成分ではないがゾウは飲む量が多いので、粉ミルクを溶かすのは結構大変なので、造粒という特殊な溶けやすい加工をすることで溶かしやすい工夫をしている。ただ弊社のミルクはあくまで人工哺育となったときの万一の備えとしての存在なので、一番いいのは無事生まれてお母さんの母乳を飲んで育ってくれるのが一番ベストかなと思う」
出産が近づくにつれ、日々、プレッシャーも増しているという動物園。
現時点では9月頃の出産確立が高いと推測されており8月からは血液検査を実施しホルモンの数値で出産タイミングをはかるということです。