SDGsの取り組みをお伝えする「フューチャースマイルプロジェクト」。
きょう6月23日は20万人以上が犠牲になったと言われる「沖縄戦」の慰霊の日です。
広島県府中町の中学校では平和学習が行われました。

≪黙とう≫
沖縄県糸満市にある「平和祈念公園」 
沖縄はきょう6月23日、80回目の慰霊の日を迎えました。

太平洋戦争末期、本土決戦が現実味を帯び、「本土防衛」を目的に日本軍の基地などが建設された沖縄。

1945年4月1日、アメリカ軍は沖縄本島に上陸し、民間人を巻き込んだ激しい戦闘へ突入します。
戦闘は2カ月半以上に渡り、80年前のきょう、日本軍の組織的な戦闘が終わったとされています。

沖縄戦では日米合わせて20万人あまりが死亡。
そのうち12万人以上が沖縄県民で、県民の4人に1人が犠牲になったと言われています。
戦後80年が経ち、記憶の風化が懸念されるなか、広島でも、若い世代が沖縄に目を向けました。

【山北陸斗記者】
「こちらの中学校では広島から沖縄に思いをはせようと、ある試みが行われています」

679人が通う府中町立府中中学校。
3年前から長崎原爆の日の「8月9日」に平和討論会を開く取り組みをしていますが、今年から「沖縄慰霊の日」にも平和学習の機会を設けました。

≪平和学習の様子≫
【府中中学校3年・萬屋美結さん】
「当時の日本ではもうダメだと思ったら自ら命を絶つか、アメリカ軍と戦うかのどちらかだと教えられていた」

生徒たち自ら今回の平和学習を企画しました。

【府中中学校3年生・中光柚月さん】
「広島や長崎だけに目を向けるのではなく、沖縄戦にも目を向けたほうがより考えが深まると思った」

きょうは生徒と教員が一緒になって、”自分たちにできることは何か”を考えました。

【先生】
「実際に戦争は世界で起きている。自分たちは戦争に対してどう向き合っていけばいい?」
【生徒】
「日本で戦争はないけど、日本にも関係があると思いながら生活したほうがいい」
【先生】
「国同士の争いはなぜ起きる?1番は考え方の違いだと思う。みんなには他の人の価値観や考え方を受け入れる心を持ってほしい」

世界を見渡せば今、この瞬間も武力による衝突が絶えない中、争いを無くすためにはどうすべきか、それぞれの立場で向き合います。

【府中中学校・橋岡大将先生】
「戦争を経験していない先生たちが平和学習を行っていく必要がある。難しさはあるがどうにか形にして社会に発信していくことに意味がある」

【府中中学校3年・中光柚月さん】
「沖縄戦は軍の人だけでなく、今の私たちの年代に近い人たちが活動していた。
(その事実を)色々な人に伝えたい」

テレビ新広島
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