こちらは22日、噴火が確認された霧島連山の新燃岳です。
2018年以来7年ぶりの噴火を地元、鹿児島県霧島市の人たちはどう受け止めているのか、取材しました。
22日午後3時半ごろ、宮崎県の高原町から撮影した霧島連山新燃岳の映像です。
灰色の噴煙が押し寄せ、山は全く見えなくなりました。
一方、こちらは霧島市側から見た22日の新燃岳。
火口が雲に隠れて見えませんでした。
気象台も22日午後4時ごろ、住民から寄せられた情報を元に、この噴火について発表したということです。
噴煙は火口から500mまで上がり、東の宮崎側へと流れ、午後6時前には噴火は止まったとみられています。
新燃岳の噴火は2018年以来7年ぶりです。
噴火から一夜、午後0時半ごろに、霧島市の高千穂河原を取材しましたが、雨や霧の影響で新燃岳の様子は確認できませんでした。
7年前に発生した噴火や爆発では霧島市内にも降灰が確認され、観光への影響も出ました。
高千穂河原でカフェを経営しているオーナーも噴火による影響を懸念していたといいます。
カフェのオーナー
「ビジターセンターの人と財団の人がざわつき始めたので、『何かあったんですか?』と聞いたら、『新燃岳が噴火したので もしかしたら明日、開けられないかもね』という話になった」
また、霧島市観光協会によりますと、この噴火による観光客への影響は今のところないということです。
霧島市観光協会・新畑幸一事務局長
「行政と連携して正確な情報を気象庁から得て、お客様に情報発信していくことに努めている。活火山なので状況がどう変化していくか最新の情報を取りながら、正確な情報発信をしていくことが大事だと思う」
新燃岳の噴火警戒レベルは5月、3の入山規制から2の火口周辺規制に引き下げられましたが、今回の噴火について気象台はレベル2の範囲内としています。
一方、火山学などが専門で鹿児島大学の井村隆介准教授は次のように捉えています。
鹿児島大学(火山学などが専門)・井村隆介准教授
「いつ噴火してもおかしくないと僕はずっと思っていた。その噴火が小規模でよかったという感じです。
その上で、噴火警戒レベルだけにとらわれない防災対応の必要性を訴えました。
井村隆介准教授
「防災対応は本当にレベル2のままでよいのか。鹿児島側からの監視カメラには雲があって全く見えない。宮崎側からは見えていた。レベル2(火口周辺規制)かレベル3(入山規制)は登山客や観光客を守るかどうかというところで非常に大きな選択肢となる。早めに自主避難をさせてあげられるように避難所を開設するとかそういうことが大事では」