世界自然遺産にも登録された自然豊かな奄美大島。
この時期、海の中では神秘的な光景が広がっています。
6月、鹿児島県瀬戸内町の海中で撮影された映像です。
夜の海がピンク色に染まる神秘的な光景が広がっています。
海中に漂う直径0.5ミリほどのピンク色の粒は「バンドル」。
コエダミドリイシやウスエダミドリイシなど枝サンゴの仲間が一斉に放出したもので、サンゴの精子と卵が入っています。
2024年、夏場の高水温の影響で多くのサンゴが死滅した奄美大島。
新たなサンゴの成長が期待されます。
一方こちらは6月上旬、瀬戸内町の大島海峡の水深約30メートルで撮影されたものです。
海底の砂地に現れた円形の模様。
まるでミステリーサークルのようなこの模様の正体は、フグの仲間・アマミホシゾラフグの産卵場所です。
11年前に新種と確認されたこのフグ。
体長は10センチから15センチほど。
ひれを使い、1週間ほどかけて、直径約2メートルの産卵場所を作ります。
奄美の海に広がる神秘的な風景。
映像を撮影した奄美市の奄美海洋生物研究会の興克樹さんは、多様性に富んだ海も奄美の魅力のひとつと話します。
奄美海洋生物研究会・興克樹会長
「多くの生き物が命を育む行動をしているので、非常ににぎやかな季節になっている。森だけでなく、海も多様性に富んでいるので、奄美の魅力の一つとして、とらえてくれるとうれしい」