北海道南部の福島町でネズミが大量発生し米などの農作物に被害が出ている。
ホームセンターではネズミ捕り用の商品が売れすぎて入荷が追いつかない異常事態だ。
ネズミの“異常な”大量発生
UHBの取材班が設置した小型カメラの映像。
6月16日深夜、ネズミが農家の倉庫を走り回っていた。

ネズミ捕りの粘着シートに1匹がくっつくと。
ほかのネズミが様子を見にきた。

「今年は特に多い。500匹も600匹も捕ったんでないかな」(農家・佐藤孝男さん)

「あ!いた!ブロックに入っている」(カメラマン)

農作物に大きな被害も
北海道・福島町で5月からネズミが大量発生。
40年以上前から農家をしている佐藤孝男さんの畑には大きな被害が出ていた。
「これネズミの穴。ネズミの死骸、みんな。種からまくものはほとんど被害に遭った。トウモロコシも1000個まいて半分くらいはネズミにやられた。粘着シートとかもろもろ、10万円くらいかかったかな」(佐藤さん)
予想外の出費だけではなく、農作物の植え直しもせざるをえなくなった。

別の農家のハウスではイチゴやキュウリが食べられたということだ。
「きょうネズミ来てないわ。ちゃんと歯形ですぐ(ネズミと)わかる」(農家の女性)
80年近く農家を続けてきたという女性は。
「イチゴまで食べるんだよ。キュウリも食べたんだよ。おばあちゃん、今まで何十年もやってきたけどこういう年はない…」
「今年はおかしいわ。異常」(農家の女性)

5月には米がネズミに食べられる被害が出た。
取材したこの日もネズミは米に近づこうとしていた。
「今(シートに)ついた」(農家の女性)

影響はホームセンターにも。
「こちらのホームセンターではネズミ捕りグッズのところだけがガラッとしていて、北海道全域でも在庫がなくなっているということです」(中村真也記者)
ネズミ捕り用の商品は例年の10倍を超えるほど売れていて、入荷が追いついていなかった。

異常な大量発生の原因とは?
いったいなぜネズミは大量発生したのだろうか。
被害の報告を受けた道立総合研究機構は。
「去年、黒松内以南に分布するブナが大豊作だった。ブナの実が一番の要因と考えている。(ネズミの)エサ条件が好転して大繁殖して増えた」(道総研林業試験場 南野一博さん)

1平方メートルあたりに落ちていたブナの実は2021年に49個、その後2年間ゼロであったが、2024年は624個にまで増えていた。
2023年の異常な暑さが原因とみられていて、ブナの実を食べるネズミの発生につながったと考えられている。
ネズミの大量発生はいつまで続くのか。
「1~2か月でネズミは成熟する。野ネズミは数が増えすぎると自ら繁殖をコントロールするので、この先町への出没は落ち着くと予想しています」(南野さん)
