去年1年間の全国の水難事故は1535件にのぼり、死者・行方不明者を含む水難者は1753人でいずれも過去10年で最多となったことがわかりました。
警察庁によりますと、去年の水難事故は1535件で前の年から143件増え、水難者は1753人にのぼりいずれも過去10年で最多となりました。
このうち、死者(794人)・行方不明者(22人)はあわせて816人で、2016年に並び、過去10年で最悪となりました。
中学生以下の死者・行方不明者は前の年から1人増え28人で、そのうちおよそ6割が河川での事故でした。
警察庁によりますと、過去5年間の平均と比べ、去年は残暑が厳しかった9月から11月の期間で河川での水難者が増えたということです。
また、去年の山岳遭難の発生件数は2946件で、前の年より180件減りましたが、観光地として有名な富士山や高尾山で遭難した人が前の年から大幅に増えたことがわかりました。
富士山で遭難をした人は83人にのぼり、過去5年間の平均と比べおよそ6割増加したほか、高尾山で遭難した人についても、およそ5割増え131人にのぼりました。
警察庁は「観光客が増えたことや、低山ブームで高尾山などに登る人が増えたことが要因の可能性がある」としています。
訪日外国人の遭難者は135人にのぼり、過去最多だった前の年の145人に次いで2番目に多い数となりました。
遭難したケースで最も多かったのは「道迷い」が全体のおよそ3割にのぼり、その次に多かったのは「転倒」や「滑落」でした。
1人で登山し遭難した人のうち死者・行方不明者の割合は1割以上を占め、複数人で登山した場合よりも高くなっていることから、警察庁はグループで登山をすることや、トラブル発生時に途中から下山できるルートを事前に把握しておくよう呼びかけています。