7月、熊本と上海を結ぶ定期便が就航するのを前に、上海の旅行会社が県内の観光地を視察しました。観光客誘致に向け、新たなビジネスチャンスとなるか注目されています。

熊本県庁で人気漫画『ONE PIECE』の主人公・ルフィの銅像と記念撮影を楽しむ人たち。6月、熊本を訪れた上海の旅行会社の関係者です。

【参加者】
「ファンはここで写真を撮るし、自分も撮れてうれしかった。このような写真が撮れるのは全世界でここだけ」

上海にある中国東方航空は、熊本と上海の浦東国際空港を結ぶ定期便の運航を7月から始めます。

上海線の運航を観光客の増加につなげようと、熊本県は上海の13の旅行会社を招いた視察ツアーを企画。5日間の日程で熊本市内や阿蘇地域など県内の観光地を巡ります。

この日、参加者たちは天草地域を訪問。上天草市にある『ミオカミーノ天草』は、買い物の他にもサイクリングやボルダリングなどを楽しむことができる、観光客に人気の施設です。

【スタッフ】
「イルカウオッチングとか(天草)五橋クルーズ、あとは三角港からも定期船が出ている」

また、天草で特に人気なのがイルカウオッチング。目の前にいるイルカたちを引き連れ、参加者たちは海上散歩を楽しみました。

【参加者】
「とても珍しい。中国でこのようなものはない。大人も子供もみんな好き。面白かった」
「旅行会社としてではなく、観光者としてすごかった。とても魅力がある」

そして、天草の食材をふんだんに使った料理に舌鼓を打ちました。

【参加者】
「天草の豚肉は大好き。おいしくて軟らかくて、魚もおいしい。(天草は)イルカも見られるし、料理もおいしいし、景色もきれい」

ツアー最終日。県内の飲食や宿泊事業者を交えた名刺交換会が行われました。

【やりとり】
「客のスケジュールに合わせて『食事が先、イルカ(ウオッチング)が後』のように自由に(予定できる)。夕日を見てご飯を食べて、ドリンクを飲んで…というクルージングも」

県内の事業者たちは、それぞれの魅力を上海の旅行会社にアピール。観光客誘致に向け手応えを感じたようです。

【清和文楽の里協会 清和文楽館 岡本 翔 さん】
「清和文楽のことを知っている人が多くて、内容を知っている人もいたし、知らない人には興味を持ってもらえたようで、結構いい感じかなと思う」

【吉次園 前田 正明 代表】
「『子ども連れの客にいいのでは』という話をもらった。日本のフルーツがアジアや世界でも評判が高いのは聞いているので、癒やしの場所になると思うし、(定期便就航は)期待している」

一方、上海の旅行会社からは…。

【参加者】
「上海人は熊本が好き。客の希望と私たちのおすすめ、今回(話した)色々なところ…いっぱいありすぎて、まだ(ツアー内容を)考えられていない」

「中国や日本の他の場所には(熊本のような魅力は)あまりない。だから必ず喜んでもらえる」

【県観光文化部 観光振興課 浦本 雄介 課長】
「初の中国本土との直行便で、かなり距離が近くなり、身近な国・都市になったので、互いのことを知って交流が進めばいい」

インバウンド需要が新たなビジネスチャンスとなるか。熊本と上海を結ぶ定期便は、7月11日、就航です。

【スタジオ】
今回の視察を受け、すでに上海の旅行会社では熊本観光ツアーの開発に向け、準備が進んでいるということです。

また、7月には今回就航した定期便を利用して県内の旅行会社が上海などに出向き、現地を視察する予定だということです。

テレビ熊本
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