走行中の電車内で緊迫の訓練です。
放火しようとする不審者から乗客を避難させる訓練が先日、JR熊本駅で行われました。
疲れたサラリーマンたちが揺られる深夜0時の電車は、熊本駅へと向かっています。
その車内には落ち着きがない不審な男の姿が。
【不審者】
「あーなんかイライラするね。この電車、燃えるとかな」
【乗客】
「危ないですよ」
【不審者】
「一緒に死んでくれん?俺、ガソリン持っとるとたい」
騒然とする車内では緊急通報がボタンが押され電車は上熊本駅と熊本駅の間で緊急停車しました。
JR九州熊本支社や警察、春日校区の防災連絡会のメンバーが参加して行われた不審者対応訓練。
自暴自棄になった犯人が電車内で突然刃物を振り回したり放火する事件は、いまやいつ・どの路線で起きてもおかしくありません。
【JR社員】
「そのままの状態で落ち着いてお待ちください」
電車に乗り合わせていたJRの社員が乗客を前方に誘導し、男を引き離します。
【JR社員】
「何か手伝うことありますか?」
【運転士】
「車内に残されたお客さまの確認と誘導を」
運転士と協力し、男を落ち着かせる中、そこへ鉄道警察隊が到着。
【不審者】
「誰が警察呼んだ!」
【警察官】
「警察です。どうされました?」
乗客たちが誘導された前方車両には消防が到着。車内に備え付けの梯子を使って線路上への避難を開始します。
また、車内からケガ人や高齢者を運び出す手順ついて消防隊員のレクチャーも行われました。
【JR九州熊本支社 三浦 基路 支社長】
「職員には『今、何か起こったらどうするかイマジネーションを膨らませて危険の芽を感じ取って、事前に摘んでほしい』と指導している」
訓練へ移動中の車内では、救急隊によるAEDの使い方講座も開かれ、社員と住民がいざというときに備えていました。
JRでは「確実に乗客の命を守るために」想定を変えた訓練を年複数回、実施していくことにしています。