輸入米への注目が高まる中、今回番組が取材したのはタイの米農家。
今、日本からの米需要が急激にアップしているというのです。

タイの農家ではコメの収穫期を迎えていますが、実はこれ日本ブランドのコメなんです。

日本のブランド米農家・セークサンさん:
コシヒカリです。日本人に最も人気があるブランドですから。

作られているのは、コシヒカリ。
日本の銘柄米に興味を持ったオーナーが6年前からタイ国内に向けて生産を始めました。
ところが、ここにきて、その流通先が大きく変わろうとしているというのです。

日本のブランド米農家・セークサンさん:
今、日本から「コメを輸入したい」と連絡がきています。(Q.いつからですか?)去年からです。

この1年で新たに4つの日本の業者から問い合わせがあり、そのうちの1社とは秋に売買契約を結ぶといいます。

気候が温暖なタイでは、1つの田んぼで年に3回収穫が可能ですが、取材した農家ではある取り組みを始めました。

田んぼを増やし、田植えの時期をずらすことで毎月のようにコメを収穫できるようにしたのです。

日本のブランド米農家・セークサンさん:
毎月田植えをして毎月稲刈りをします。

この農家の現在の生産量は年間18トンですが、今後増産してコメの輸出に力を入れたい考えです。

そこで気になる味は、甘みもしっかりしていて、米粒に丸みがあり、非常に粘り気も強いような印象。

パッケージには、「脳に栄養を与える」「視力を良くする」などの紹介文が添えられていました。

5kgの価格は日本円にすると2230円。
日本の市場価格より2000円ほど安く、関税が上乗せされても割安になりそうです。

6月、「コメの緊急輸入も選択肢」と話した小泉農林水産相。

18日、海外で日本からのコメ需要が急増していることを聞かれると「海外で日本のコメが高い評価を受けるというのは、今後の海外に対する輸出、これについては悪いことではない。ただ、これが日本の今のコメの状況を受けて(輸入米が)大量に入ってくることになればコメの生産者の皆さんに対しては大きな不安となる。備蓄米を安く流して、なんとか外国産米に日本の店頭の棚がとられることを少しでも防ぎたい」と述べました。

割安な銘柄米の輸入が今後のコメ相場にどう影響するのか。
注意深く見ていく必要がありそうです。

フジテレビ
フジテレビ

フジテレビ報道局が全国、世界の重要ニュースから身近な話題まで様々な情報を速報・詳報含めて発信します。

国際取材部
国際取材部



世界では今何が起きているのか――ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブール、北京、上海、ソウル、バンコクのFNN11支局を拠点に、国際情勢や各国の事件・事故、政治、経済、社会問題から文化・エンタメまで海外の最新ニュースをお届けします。

経済部
経済部

「経済部」は、「日本や世界の経済」を、多角的にウォッチする部。「生活者の目線」を忘れずに、政府の経済政策や企業の活動、株価や為替の動きなどを継続的に定点観測し、時に深堀りすることで、日本社会の「今」を「経済の視点」から浮き彫りにしていく役割を担っている。
世界的な課題となっている温室効果ガス削減をはじめ、AIや自動運転などをめぐる最先端テクノロジーの取材も続け、技術革新のうねりをカバー。
生産・販売・消費の現場で、タイムリーな話題を掘り下げて取材し、映像化に知恵を絞り、わかりやすく伝えていくのが経済部の目標。

財務省や総務省、経産省などの省庁や日銀・東京証券取引所のほか、金融機関、自動車をはじめとした製造業、流通・情報通信・外食など幅広い経済分野を取材している。