総務省が出している「公職選挙法が改正される」というチラシなんですが、5月2日から始まった公選法、一体何が変わったのか詳しく見ていきます。
今回、法改正後初めての大きな選挙ということになり、ポスターについても変わったところを見ていきます。
チラシには「ポスターの品位保持のため改正されました」とあります。
具体的には大きく3つあり、一つは「ポスターに候補者の名前を見やすく記載」すること、これは義務になります。
次に「他人・政党の名誉を傷つけたり、わいせつな画像を記載してはならない」ということ。
そして「商品広告や営業に関する宣伝をしてはいけない」こと。
これには罰則もあり、例えば商品広告の営業・宣伝をした場合は100万円以下の罰金が科されるという形で法改正が行われました。
実際に街の掲示がどうなっているのか、木村拓也(34)キャスターが取材をしてきました。
東京都内3カ所、3つの区の掲示板を見てきましたが、法改正後の内容に反したようなポスターはもちろんありませんでした。
そして今回、皆さんお気づきかもしれませんが、掲示板に“ある変化”がありました。
17名の候補者が争う東京・杉並区では、右側に都議選のポスターがあり、上と左側に白い板のようなものが張られていました。
そして中野区に移動すると、候補者7名分のポスターが貼られていて、周りは青いシートで覆われています。
覆われている部分をよくよく見ると、7月3日の公示が有力である参院選用の板が見えました。
実は、2025年は12年に一度、都議選と参院選が重なる年になります。
そのため、2種類の掲示板が同時に設置されている様子が街中で見られます。
他にも、16名が争う大田区は、左側の大部分に灰色のシートが張られていました。
都議選のポスターが貼られている場所を真横から見ると二重構造になっていて、都議選の部分をはがすと参院選のものが出てくるんです。
隠している理由を、それぞれの選挙管理委員会に取材してみました。
すると区によって対応が違っていて、目的も少しずつ違っていました。
杉並区は一般人による落書きを防止するため。
中野区は有権者が参院選と勘違いしないようにするため。
大田区は候補者などのポスター貼り間違えを防ぐために参院選の部分を隠しているということです。
ただ、隠し方が少し異なるんです。
都の選挙管理委員会に聞いてみると、まず目的としては、都議選と参院選の期間が短いため、資金面の観点から、一緒に設置をという話をしていると。
参院選の候補者数の目安を各区と共有しているが、どう隠すかについては各市区町村に任せているということで、結果的に選挙区で判断して、文字が見えるようなものだったりばっちり隠すようなものだったり、二重構造であるとか、こういった違いが取材の中で見えてきました。
今回の法改正の話に戻りますが、現行の公職選挙法に加えて新設されたものなんです。
法改正の必要性について総務省は、最近における選挙運動用のポスターを巡る状況を鑑み、適切な実施の確保に資するための措置を講ずることを目的としているということで、ちょっと振り返ってみると、2024年の選挙はさまざまなことがありました。
4月の衆院補欠選挙では「つばさの党」の妨害がありました。
これは立証に時間がかかってしまって、選挙後の対応になってしまうということ。
7月の都知事選では、関係のないポスター、わいせつなポスターなど、各区の選挙管理委員会が判断できなかった。
そして「2馬力選挙」。
兵庫県知事選で、NHK党の立花孝志氏が応援目的で立候補し当選を後押ししたということで、これが公平性に欠けるのではという話がありました。
特に大きく関わったのが2つ目のポスター問題ということで、各地で判断ができなかったりという所で、法改正の動きにつながったということです。
また、3つ目の2馬力についても必要な措置を講じ、付則に盛り込む形で新しい公職選挙法になっています。
宮司愛海キャスター:
公選法がSNS時代にそぐわないという声もありますが、参院選に向けての課題をどう考えますか?
SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
2馬力のこじれというあいまいな言い方は気になりますけど、去年抜け穴を利用した政治家や政党がいた分、今年もいるかもしれません。出てきた時にすぐ対応できるかどうか。言論の自由、政治活動の自由を守りながら対処できるかどうかがやっぱり、注目ですね。