本番まで約1カ月半となった岩手県盛岡市の夏の風物詩「盛岡さんさ踊り」。踊り手たちがかぶる「花笠」を作っている市内唯一の店では、制作作業が最盛期を迎えています。
ボタンやシャクヤクをイメージしたさんさ踊りの花笠。幾重にも重なる花びらは1枚1枚手作りです。
盛岡市肴町の造花店・花王堂本店では、約100年前からさんさ踊りの踊り手たちが頭にかぶる「花笠」を作り販売しています。
毎年この時期になると、家族総出で役割分担をしながら花笠作りをしていて、6月17日は針金に赤い布を貼り花びらを作ったり、1枚1枚花の形に組み立てたりと作業に追われていました。
花王堂本店 高橋雅子社長
「(花笠を)かぶるのとかぶらないので華やかさがまるっきり違ってくる」
花王堂本店では戦前から使われていたという紙製の花笠と現在は一般化した布製の花笠を作っています。
市内でさんさ踊りの花笠を制作・販売する店は、今はこの1軒だけだということです。
例年、修理を含め200ほどの注文がある中、2025年はこれまでに50以上を作り上げていて、さんさ踊りが近づいているのを実感しているようでした。
花王堂本店 高橋雅子社長
「花笠作りしながら練習の太鼓の音が聞こえると、うれしくてしょうがない。わくわくする」
さんさ踊りの花笠作りは7月のはじめごろまで行われる予定です。