大阪府警はことし5月、30代から50代の男女3人がそれぞれ暗号資産1億円相当をだまし取られる特殊詐欺の被害を認知したと発表しました。
警察によると、3件はいずれも犯人が投資を勧めて被害者に暗号資産を購入させ、犯人の口座に送金させる手口でした。
3件のうち1件は、「あなたとの将来のために資産を増やそう」などと恋愛感情を悪用した投資名目のSNS型ロマンス詐欺だったということです。
■30代男性は「春奈」を名乗る人物に投資持ちかけられ、約1億円相当の暗号資産を送金
被害の詳細は以下の通りです。
【被害事例1】
大阪府に住む会社員の男性(30代)がことし2月から4月にかけてマッチングアプリで知り合った40代女性で「春奈」と名乗る人物に、「おじに暗号資産を教えてもらっている。一緒にどうですか」などと投資を持ち掛けられました。
男性は、「春奈」に嫌われたくないという思いもあり、およそ1億円相当の暗号資産を送金しましたが、途中で相手と連絡が取れなくなったということです。
■50代女性は「張博然」名乗る人物に約1億円相当の暗号資産を送るもアカウントは削除…
【被害事例2】
大阪府に住む不動産業を営む女性(50代)はことし2月、動画視聴アプリのダイレクトメッセージで、シンガポール在住の中国人「張浩然」を名乗る人物とやり取りを始めました。
暗号資産への投資を勧められ、4月までの2カ月間でおよそ1億円相当の暗号資産を送りました。
詐欺を疑った時には、すでに動画視聴アプリ上の「張浩然」のアカウントが削除されていたということです。
■50代男性は約1億円相当の暗号資産を「松香」を名乗る女の口座に送ったが…
【被害事例3】
大阪府に住む自営業の男性(50代)は、SNSで知り合ったロサンゼルス出身のアジア系女性から、「松香」と名乗る女を紹介されました。
男性は去年11月からことし2月にかけて、およそ1億円相当の暗号資産を「松香」の口座に送りましたが、その後、「出金したい」と申し出るも手数料として追加の暗号資産が必要と言われたことで、詐欺を疑ったということです。
3件の被害届が提出されたのは、5月2日から9日にかけてのことで、警察は高額被害が相次いでいるとして注意を呼び掛けるとともに、捜査を進めています。