6月11日、岡山市の旭川で2人が死亡した水難事故では、溺れている中学生を救おうとした男性も命を落としました。もしもの時、救助者はどのように対応するべきなのでしょうか。
(長尾龍希アナウンサー)
「女子中学生はこの辺りで遊んでいたとみられます。関があって流れが速く白波が立っています。」
11日午後4時過ぎ、岡山市北区中井町の旭川で、13歳の女子中学生2人が流され、このうち1人が死亡。救助のため川に入った69歳の男性も死亡しました。
この日、女子中学生2人は何気ない会話の中で川で泳ぐのを決めたということですが、この場所の近くには遊泳などを禁止する看板が設置されていました。川の危険について、警察は次のように指摘します。
(岡山県警地域課 杉田理佳次長)
「(川は)水の流れや深さが、岸から見ると予測できない所がたくさんある。特に看板が設置されている場所などは過去に水難事故が起こった可能性もあるので近づかないようにしてほしい」
2023年、消防立ち合いの下、新見市の高梁川の比較的流れの穏やかな場所でライフジャケットをつけて中の状況を確認した時の映像です。
(堀靖英記者)
「まだ3~4メートルくらいしか入っていないが一気に深くなった、腰の近くまで水が来ている。川底は岩でゴツゴツして安定していないので足を踏み外しそう。水温は生ぬるい所もあれば冷たくなる所もある」
このように川の環境は不規則です。助けに入った人が亡くなるケースは珍しくなく、岡山県警によりますと2024年、県内で水難事故で亡くなった20人のうち3人が、助けに入った人でした。
救助者に求められることは、まず周囲に助けを呼ぶこと、そして、溺れた人を落ち着かせることだと言います。
(岡山県警地域課 杉田理佳次長)
「助けたいと思う気持ちがあるのは人間誰しもそうだと思うが、訓練した人でなければ二次被害に遭うことも少なからずある。まずは119番、あるいは110番通報してほしい。それから周りの人に聞こえるように「浮いて待て」や「呼吸をして」など短いセンテンスで呼びかけをしてほしい」
通報してから救助隊を待つ間にはペットボトルなど浮力のある物を投げ込むことも効果的で少し水を入れておくと方向性が定まりやすいと言います。そして溺れた人が岸に近づき傘や棒などを差し出す時にも注意が必要です。
(岡山県警地域課 杉田理佳次長)
「助ける人の足場を確認したうえで物を差し出すようにしてほしい。溺れている人は焦っているのでものすごく力がある。まず自分も助かる、そして溺れている人も助かることを考えての救助、早く通報することを心掛けてほしい」
川の事故は瞬間的に発生し、すぐに致命的な状況になると言われます。水遊びの増える時期、十分な注意が必要です。