餌を求めてニワトリが猛ダッシュ。
茨城・牛久市の養鶏場では、ストレスが少ない「平飼い」と呼ばれる方法で600羽を育てています。

栄養価の高い卵を1日300個産むというニワトリ。
そこに最近、ある変化が。

小泉農水相が備蓄米を放出した影響で、鶏の餌にも影響が出てきました。

奈良ファーム・石渡正也さん:
飼料米を求めていたが、それがかなわなかったので、米ぬかに変えて足らない栄養素を独自で仕入れて、配合割合を試行錯誤しながらエサ作りしている。

餌用の米が手に入らず、米ぬかを混ぜたものを作っていました。
米ぬかは固形にする手間がかかるうえ、卵の色も薄くなったといいます。ただ、味はコクが深くなったんだとか。

奈良ファーム・石渡正也さん:
私の憶測だが、今の米の高騰で飼料米を作るより人用にお米を作るような形で(米農家も)方向を向けられているのか。

「JA全農たまご」によると、12日の東京の卸売価格はMサイズの卵が1kgあたり340円。
“エッグショック”と呼ばれた2023年に迫る価格です。

備蓄米の放出が影響する中、今後、餌代がさらに高騰するのではないかとの不安も。

奈良ファーム・石渡正也さん:
エサのコストが高くなれば卵の値段もおのずと高くなり、どんどん上がっても致し方ない。卵がまた余ってしまうことにもなるので、今の食のバランスを崩してもらいたくない。(Q.備蓄米の放出について)そんなことしなくても何か方法あるんじゃないか。

備蓄米の放出について12日、小泉農水相は「圧倒的に店頭に(コメを)埋めていく。そういったことも考えるので今回20万トンの追加を考えた。他力本願ではない姿勢で政策を打ち込んでいきたい」と述べました。

12日午後2時半過ぎ、カメラが入った部屋で人を待つ小泉農水相。
米価格を安定させるよう要望を受けた相手は、米どころ・新潟県の花角知事でした。

一方、備蓄米の放出が続く中、こんな現象も。
家庭用の精米機が爆売れしているのです。

エムケー精工・赤沼夏帆さん:
去年5月と今年5月を比べて、小型精米機だと10倍になった。

では2000円台の米が店頭に並び始めたことで、銘柄米の価格に変化は起きているのでしょうか。

東京都内7カ所で、スーパーごとの最も安い銘柄米の価格を調査してみると、前回調べた時はオーケーで販売されていた4079円が最安値でしたが、今回はイオンで販売されていた4082円が最安値でした。

10日前に調査した銘柄米の価格と比べると400円以上安いところもありましたが、前回セールをしていたオーケーは400円以上高くなっていました。
一番高いスーパーは最安値でも5000円超え。
イオンは3000円台まであと少しです。

街では「まだ下がっていないと感じる」「まだ高いなとは思う。5kg4300円ぐらいなら頑張って出せるかな」「(スーパーに)あったから買ったやつが2~3日後に200円ぐらい安くなっていて嫌だなと思ったこともある」などの声が聞かれました。

小泉農水相:
(コメの平均価格が)2週間連続で下がったとはいえ、100円も下がっていない。決してまだ楽観視できる状況ではない。

2000円台の備蓄米の販売が始まって13日で2週間。
米全体の価格を押し下げることにつながるのか注目です。

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