中央道のトンネルで起きた逆走事故。
運転していた男性は99歳だったことが分かりました。
その逆走までの経緯も明らかになってきました。
右側の車線を走る白っぽい軽乗用車。まるで対向車のように見えます。
ところがここは片側2車線のトンネル。映像は逆走車を捉えたものでした。
11日午後、岐阜・中津川市の中央自動車・恵那山トンネルで、逆走した軽乗用車が別の軽乗用車と衝突し2人がけがをした事故。
警察が逆走車を運転していた人物について11日、90代男性と発表しましたが、その年齢が99歳だったことが新たに明らかになりました。
目撃した人は逆走車を運転していた男性について、「おじいちゃんだったなというのは分かった。顔をハンドルに近づけるような体勢で、口をぽかんと開けた状態。どこかぽーっとしているような様子もあった」と話しました。
ドライブレコーダーの映像を見ると、逆走車に気付いたためか、前を走っていた車やトラックがブレーキを踏んだりハザードランプをつけていることが分かります。
その直後、現れた逆走車。
このあと別の軽乗用車と正面衝突しました。
逆走していた99歳の男性は軽傷でしたが、衝突された車を運転していた40代の男性は重傷で、入院しているということです。
その後の調べで、逆走の経緯が明らかになりました。
99歳の男性が運転していた車は恵那山トンネルの下り線を走っていましたが、トンネルを出た直後にチェーン着脱場に入り、ここでUターン。
トンネルに戻り逆走を始めたということです。
男性がUターンしたとみられるチェーン着脱場は、夏場は本来入ることはできませんが、バリケードなどで閉鎖はされていなかったため入ることができたようです。
逆走した99歳の男性は長野・阿南町在住で、大正最後の年となる大正15年(1926年)生まれだということです。
男性が99歳になっても運転を続けていた理由は分かっていませんが、交通手段が少ない地方では車を手放さないケースが少なくありません。
2024年、運転免許証を自主返納した75歳以上の人は26万4916人で、免許証自主返納がピークだった2019年と比べると8万5000人ほど少なくなっています。