視聴者の皆さんと防災について考える「みんなと防災」のコーナーです。
きょうは佐々木紅音アナウンサーがお伝えします。

私がお伝えするのは、「災害時の食事」についてです。
こちら、イベント会場などで見かける「フードトラック」。
「キッチンカー」とも呼ばれますよね。

電気も水も使えるこのトラックを活用して、被災地で温かい食事を提供する活動を行う県内の団体を取材しました。

県内でフードトラック事業を行う23社が所属する団体「宮崎フードトラッカーズ」。
そのチームリーダーを務める仙田勝さんです。
仙田さんは、普段フードトラックでソフトクリームなどを販売していますが、災害時は、被災地で食事の支援活動を行っています。
きっかけは、9年前の熊本地震でした。

(宮崎フードトラッカーズ 仙田勝さん)
「私が幼い頃育った(熊本県)益城町、私の故郷でもあるから、何かできないかな。(提供したのは)うどん、炊き込みご飯、自衛隊の方が白米を出していたので、ご飯にのせられるおかずを2.3品」

仙田さんたちが熊本地震で行った炊き出しは8回。
このほか、5年前に熊本県人吉市で起きた水害や宮崎市の竜巻被害の現場にも赴きました。

(宮崎フードトラッカーズ 仙田勝さん)
「出来立ての食事を注文いただいてから出すっていうのは(フードトラックの)メリット。食べてもらえた時には『美味しかった。温かいものが食べられるっていいよね』って(言ってもらえた)」

被災地で温かい食事を提供することの大切さを感じた仙田さん。
今年3月、宮崎フードトラッカーズは県と協定を締結しました。
この協定ではフードトラック事業者が、災害時に県から提供された食料や自らが蓄えている食材を調理し、被災者に提供します。

5月に開かれた宮崎県防災の日フェア。
会場には、宮崎フードトラッカーズも出展し、非常食のドライカレーやパンにチーズやクリームをかけて提供。
味を変えることで、非常食をおいしく食べる方法を紹介しました。

(試食した人は)
「おいしいです」

(宮崎フードトラッカーズ 仙田勝さん)
「食というのはどの災害でも一緒なんですよ。冬だったら温かいものが食べたい、夏だったら冷たいものが食べたい。食べるんだったらおいしいものというのを心がけてやってます」

食事の提供はもちろん、支援物資や発電機、燃料などを積んで被災地に駆け付けられるフードトラック。
仙田さんは、メンバーを募集しながら、より大きな組織として支援体制を強化していきたいとしています。

被災地でのフードトラックの活用は国も力を入れています。
6月1日からフードトラックやトイレカーなど災害時に対応可能な車を特設のホームページで事前に登録する制度が始まりました。

これは、フードトラックなどをあらかじめデータベース化しておき、災害発生時には、被災自治体にスムーズに派遣できるようにするためのものです。
災害救助法が適用されれば、車両の活動にかかった費用の最大9割は国が負担します。

テレビ宮崎
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