福岡市の国道で10日、幅約1.5メートルにわたり道路が陥没した事故で、高島宗一郎市長が現場に駆けつけ、早期の復旧を指示しました。
10日午前9時50分ごろ、福岡市中央区今泉で「歩道が陥没している」と通報がありました。
現場は福岡市中央区今泉の国道202号線(通称「国体道路」)で、歩道から車道にかけて幅1.5メートルほどの大きさで道路が陥没しているのが見つかりました。
けが人はいないということです。
陥没の発見から約2時間半後、現場には福岡市の高島市長が駆けつけ、状況を確認しました。
高島市長は報道陣の取材に対し「通常の道路にまず戻して安全を確保することを第一に、予算はいくらでもかけていい、とにかく最速でやるようにということは指示をしました」と話しました。
現場は福岡市の中心部・天神に近いところで、普段から交通量の多い道路で、付近では上下線とも通行止めとなっています。
市によりますと現場のすぐ近くでは、浸水対策として雨水を排水する雨水管を道路の下に整備する工事が今年7月までの予定で行われていました。
高島市長は、敷設中の新しい雨水管の隙間から土砂が流出した可能性が高く、 この雨水管には現時点では実際の雨水は流れていないことなどから、今後さらに土砂が流出し、穴が急激に拡大するリスクは比較的低いとしています。
市は埋め戻しの作業を急ぐとともに、この工事の影響で陥没が起きた可能性もあるとみて調査を進めています。
福岡市では2016年11月に博多駅前で大規模な道路陥没事故がありました。
この際は都市機能が広い範囲でマヒして市民生活などに多大な影響が出ているとして、流動化処理土という特殊な土で埋め戻しを急ぎ、1週間で道路の通行再開にこぎつけました。
高島市長は当時のことについて触れ、「地下に埋設物がどういうものがあって、どういうプロセスでどんな薬剤を使いながら地盤を固め、そして通行にこぎつけるかというのは、私自身も真ん中で経験をしているので、それを生かし最速で対応したい」と語りました。