金利ある世界が到来するなか、夏のボーナスアップを追い風にして、ネット銀行を中心に「定期預金」の金利競争が激しさを増しています。
SBI新生銀行は10日、「定期預金」(パワーダイレクト円定期預金:インターネット限定、1口30万円以上)の金利について、半年から5年物をそれぞれ引き上げると発表しました。
具体的には、半年物が国内最高水準となる年1.0%へ引き上げ、1年物が年0.85%へ引き上げなどとなっています(いずれも税引前)。
「定期預金」は、決められた期間の預金引き出しができない分、普通預金と比べて金利が高い傾向にあります。
今回の金利引き上げも、夏のボーナスシーズンに合わせた動きで、より高い金利水準を強調することで預金獲得競争を有利に進める狙いがあります。
企業のボーナスを巡っては、官民一体となった賃上げムードを背景に上昇傾向が続いています。
労務行政研究所が、2025年夏のボーナス(夏季賞与・一時金)について調べたところ、平均額は86万2928円と前の年の同じ時期(83万1003円)と比べて4%程増加し、2年連続で80万円台を上回りました。
1970年の調査開始以来の過去最高額を更新しています。
(東証プライム上場企業の全産業114社を対象、2025年4月8日時点)
金利のある世界が到来するなか、こうした”ボーナスアップ”の流れも追い風となり、楽天銀行は6月、「夏のボーナスキャンペーン」として、期間限定で1年物と2年物それぞれの金利を約2倍(1年物:年0.6%、2年物:年0.7%)に引き上げました(いずれも税引前)。
auじぶん銀行も、期間限定で1年物を年0.85%に引き上げ、さらに条件次第では年1.0%相当となるキャンペーンを実施しています(税引前)。
メガバンクの「定期預金」金利が半年や1年物で年0.25%から年0.27%程度であるなか、ネット銀行を中心とした様々な形での引き上げ競争が、今後さらに激化する可能性があります。