NATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長は、ロシアが想定よりも早く多くの兵器を生産していて、5年以内にNATO諸国を攻撃する可能性があるとして懸念を示しました。
ルッテ事務総長は9日、イギリスのシンクタンクで演説し、ウクライナ侵攻を続けるロシアについて「中国、北朝鮮、イランと手を組んでいる。ロシアは中国の技術で軍を再編成し、我々が考えているよりも早く、より多くの兵器を生産している」と指摘しました。
具体的には、2025年だけで戦車1500両、装甲車3000台、弾道ミサイル「イスカンデル」を200発を生産すると予想し、「ロシアは5年以内にNATOに対して軍事力を行使できる可能性がある」との見方を示しました。
また、中国についても「猛烈なスピードで軍隊を近代化し拡大している」とし、さらに「核兵器を増強している」と非難しました。
その上で、ルッテ事務総長は加盟国の防衛支出について、GDP(国内総生産)に占める割合を5%まで引き上げる目標を改めて示しました。
さらに、加盟国が防空とミサイル防衛態勢を現状より400%増、5倍の規模に増強する必要があると訴えました。