スーパーにずらりと並ぶ銘柄米。
その販売方法に今、徐々に変化が起きているようです。
「ソレってどうなの？」9日のテーマは、「銘柄米いまや2kg売りが当たり前？」です。
高止まりする米の価格。
東京都内のデカ盛りで有名な弁当店「まごころ大高（高ははしごだか）」には、9日も次々とお客さんが訪れていました。
訪れた客は「前にテレビで見たことがあっておいしそうだった。一人で食べるのは厳しいので、みんなで食べられたら。かなりずっしりとしています」「大きくて安いと言われてるが、だしがきいていて非常に健康によさそう。（Q.大きいのが魅力？）多いのはすごい。この時期なのに変わらず、すばらしい」などと話していました。
お店の名物は牛、豚、鶏の肉がこれでもかというほどのったデカ盛り弁当です。
肉の下に敷き詰められたご飯の量は、750グラム！
総重量は1.5kgもあります。
国産ブランド米100％だそうですが、正直、今は大変ではないのでしょうか。
代表の大高博信さん（高ははしごだか）に話を聞くと、「お米がダントツ（の高さ）。去年の初めくらいのころから比べると2倍以上。（1日のコメの使用）平均的には60kg。多いときは100kg超える。安くなるかなという希望で今は据え置きでやっているが、これからの対策としては値上げが最後の手段になる」と話します。
帝国データバンクによりますと、駅弁や仕出し弁当を中心とした弁当店の倒産は、1月から5月の間で22件。
2024年の同じ期間を上回るペースで推移していて、このままでは過去最悪を更新する可能性があるんです。
この状況を乗り切ろうとデカ盛り弁当店が始めたのが、サンドイッチの販売でした。
まごころ大高・大高博信代表：
お米（価格）が上がり始めた時に、主力がお米だけの店舗だと原材料が上がった時に経営的に不安。お弁当とは違うお客さんをとりたいというのも踏まえて、サンドイッチを始めた。
いろんな工夫をしながら今、米に臨んでいる方が多いと思いますが、そんな中、銘柄米を販売しているスーパーの米売り場では、最近になって米の売れ行きに変化があるというんです。
スーパーセルシオ・久保田浩二さん：
2kgのお米が断然、最近は売れてる。5月は6：4で少量タイプ（2kg・1kg）を購入する客が多かった。6月に入り7：3、5kgのコメを買う客が離れつつある。
そこで、2kgと5kgの米、お客さんはどちらを買う機会が多いのか聞いてみると、「2㎏です。5kgは高い。4500円くらいする。2kgの方が楽」「2kgじゃ足りない。5kgを2つ買って、1カ月持つか持たないか」「2kg。そうですね、（前は）5kgで買っていた。パンやうどんに変える」と言った声が聞かれました。
ではなぜ、2kgの銘柄米の販売が今、増えているんでしょうか。
お米に詳しい宇都宮大学農学部の松平尚也助教に話を聞くと、「2kgで小分けにして、買い控えを考えている消費者にも手に取りやすくしてるのかなと予測。消費に影響を与えないように、そうした工夫をしてきている」と指摘します。
一方で、都内のスーパーでは、銘柄米の販売スペースに米はほとんど残っていないお店も。
それに対して、江藤前農水相時代に放出されたとみられる3500円前後の備蓄米がずらりと並んでいました。
こうした状況には理由があるようで、別のスーパーに買い物に来ていた方に話を聞くと「高いね、今頃出てるんだ。5Kgの4500円に比べたら安いから、買うかもしれない。でも（この店には）ないから。ないものは買えない」「高いから、安くすれば買うんじゃない？。“小泉米”と同じように、みんな少しでも安い方がいい」となどと話していました。
こういった意見について、宇都宮大学農学部・松平助教は、「“江藤米”は当初の予定が5月、6月がしっかり出回る時期とされてきた。予定通り、小売りでの流通が始まっているのでは。一方で、安い“随意契約米”が入ってきたことで、小売り側がキャンセルする動きも出てきている。“随意契約米”が放出されて以降、非常に混乱が起きている」と述べました。
備蓄米を巡る動きが目まぐるしくなる中、米価格だけではなく販売方法にも注目です。
