日本相撲協会を退職した大相撲の元横綱・白鵬翔さん(40)が会見を行い、新たな構想を明らかにしました。

元横綱・白鵬翔さん(40):
相撲に愛され、相撲を愛した25年でありました。この場を借りまして、私白鵬翔は日本相撲協会を退職し、新たな夢に向かって進み出すことを皆さまにお伝えします。

自ら「相撲に愛され、相撲を愛した」と語った白鵬さん。
現役時代45回の優勝を果たした大横綱が、日本相撲協会を離れる決意をしました。

元横綱・白鵬翔さん:
本当に悩みましたが、今の自分が置かれている状況を考えますと、“協会の中”ではなく“外の立場”から相撲の発展に力を注いでいくことが良いと判断して、最終的には自分自身で退職という決断をした。

モンゴルから15歳で来日すると、厳しい稽古に励み、横綱の地位まで上り詰めた白鵬さん。
史上最多となる通算1187勝を挙げ、45度の優勝を果たしました。

しかし引退後、宮城野親方を襲名すると2024年、元前頭・北青鵬の暴行事件により2階級降格などの処分を受け、宮城野部屋は閉鎖に。
弟子とともに無期限で伊勢ヶ浜部屋へ転籍しましたが、1年を経ても宮城野部屋の再興は実現しませんでした。

会見には、弟子たちを預かり、9日から新たに宮城野親方となった前伊勢ヶ濱親方(64)も同席しました。

宮城野親方を襲名・前伊勢ヶ濱親方:
これだけの実績、たくさん記録持ってます。こういう人がずっと協会にいてくれれば良い力士がたくさん出ると思ってたんですけど。本人の意思がすごく固くて、私も引き留めることができなくて、ファンの皆さんには大変申し訳なく思ってます。

握手のあとハグを交わし、円満退職を感じさせた今回の会見。
質疑応答では、一部報道で後輩力士の元横綱・照ノ富士(33)が伊勢ヶ濱親方となり、自分よりも上の立場になることが退職への引き金になったと報じられたことについて言及しました。

元横綱・白鵬翔さん:
報道で色々書かれてましたけど、「照ノ富士が伊勢ヶ濱親方になること」、本当に後輩としてよく頑張ってくれました。“照ノ富士の下で嫌だ”それは全くありません。

確執報道を完全否定した白鵬さん。
そんな中、新たに伊勢ヶ濱親方となった元横綱・照ノ富士(33)も会見を行い、白鵬さんについて語りました。

伊勢ヶ濱親方を襲名 元横綱・照ノ富士:
自分と白鵬関の間では、今は一切そういう個人的な悪い関係はありませんし、報道では面白くおかしく書かれること多いので、一切ありません。

こちらも不仲説をきっぱりと否定。
相撲ジャーナリストの横野レイコさんは、確執報道を否定した白鵬さんの対応を「私は大人の対応をしていたなと思いました。これからも相撲協会と良好な関係でいたい」と分析します。

一方、9日の会見で語られたのは、白鵬さんの新たな構想でした。

元横綱・白鵬翔さん:
日本のみならず、世界中のより多くの人たちに相撲の魅力を広げる「世界相撲グランドスラム」という構造のもと、相撲を広めてまいります。

“ジャパニーズ・スモウ”から、世界中から愛されるスポーツへ。
これまで少年力士たちの大会「白鵬杯」を開催してきた経験を生かし、新たなビジョンを公表した元横綱の白鵬さん。

横野レイコさんは、白鵬さんが掲げた構想が、日本の相撲が抱える課題の解決にもつながっているといいます。

相撲ジャーナリスト・横野レイコさん:
スポーツ万能な子が他のスポーツに流れていってしまってる。優秀な人材を大相撲に送り込みたいという夢がある。相撲協会と対抗するわけではなくて、恩返しをしたいという思い。

フジテレビ
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報道スポーツ部
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