石破首相は9日の参院決算委員会で、外国人の増加に伴う各種の問題について「日本国民の安全安心が損なわれてはならない」と述べ、総合的に対応するための事務局組織を内閣官房に設置する方針を示した。
片山さつき決算委員長は石破首相に対し、「外免切り替え、あるいは不動産取得等の問題で、地域コミュニティからの不安や苦情が増えている」と指摘し、「外国人を受け入れるにしても、秩序ある共生でなければならないのは自明の理だ」と強調した。
その上で「東京・板橋区の中古マンションを中国に住所登記されている人物が購入し、家賃を相場の2~3倍に値上げし、3割の人が退去させられた」との事例等を紹介し、対応の強化を求めた。
これに対し石破首相は「インバウンド消費は重要だが、日本国民の安全安心が損なわれることは断じてあってはならない。誰のための政府だということだ」と述べた。
さらに5日に自民党からも提言を受けたことに言及した上で「秩序ある共生社会を実現するためにルールを守る外国人は受け入れる。ルールを守らない外国人には厳格に対応していく。外国人の方々の社会経済活動等の状況把握をし、問題がある場合に各制度運用の適正化を図ることも当然だ」との認識を示し、「違法民泊の疑いがある事案に対する調査、取り締まりを徹底する。不動産の利用等に関する我が国のルールや相談窓口の周知に取り組んでいく」と強調した。
石破首相はその上で「これらを総合的に対応していくめに、内閣官房に事務局組織を設立する方針だ。外国人との秩序ある共生社会の実現に向けて、必要な対策を着実に推進する」「オーナーあるいは住んでいる人たちが不当に不利益を被ることがないように対策は徹底する」と述べた。