国連の安全保障理事会は4日、パレスチナ自治区ガザの人道支援に関する会合を開き、即時停戦などを求める決議案の採決を行いましたが、イスラエル支持のアメリカが拒否権を行使し、否決されました。
スロベニアなど非常任理事国10カ国が共同で提出した決議案では、イスラエルに対してガザ地区への人道支援物資の搬入に対する制限解除と無条件での即時かつ永続的な停戦、ハマスに対して人質全員の即時解放を求めています。
安保理の理事国15カ国のうち、14カ国が賛成しましたが、アメリカが拒否権を行使し、決議案は否決されました。
第2期のトランプ政権発足後、アメリカが安保理で拒否権を行使するのは初めてで、アメリカの代表は「アメリカはハマスに対して武装解除や、ガザ地区からの撤退を求めない決議案を支持しない」と説明しました。
国連の人道支援担当者は採決前、「世界は毎日、ガザ地区でパレスチナ人が、ただ食事を得ようとするだけで撃たれたり、負傷したり、殺されたりするという恐ろしい光景を目の当たりにしている」と述べ、ガザ地区の現状を訴えていました。