参院予算委で2日、日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長が健康保険制度を巡り、「現役世代が血まみれになっている」と指摘して改革を求め、石破首相は「今後、さらに社会全体のリスク分担の観点から制度設計がなされるべきだ」と述べた。
石破首相が出席した集中審議で、猪瀬氏は湿布や風邪薬などの市販薬と近い「OTC類似薬」の保険適用除外について取り上げ、与党と維新の2月の合意では見直しが明記されているが、その後の協議で与党側から「前向きな回答が全くない」と述べた。
そして、「保険適用で湿布をもらう上限がもっと減らされたら困るということで、(自民党に)湿布の議員連盟ができている。圧力団体や与党議連の意向が影響を与えることはないか」と質問した。
これに対し、石破首相は「政府として医療の質を落とさないよう一部の利益で全体の利益を損なうことがないように心していく」と答弁した。
さらに猪瀬氏は「現役世代の人がほとんど負担する形だ。こういうことをやっていたら本当に国が滅ぶ」と指摘。
現行の健康保険制度について、「保険は本来、自分のリスクに対して払うもの。自分のリスクではなく、高齢者に実に8.4兆円の巨額の仕送りだ。現役世代が血まみれになっている」と迫った。
石破首相は「出生率が上がり人口が増える前提で作っている制度だ。今後、さらに社会全体のリスク分担の観点から制度設計がなされるべきだ」と述べた。
社会保障改革に関する3党の協議では、実務者レベルで合意文書の素案がまとめられたが、FNNの取材では「OTC類似薬」の保険適用除外についての記載はなく、「社会保障改革に関する真摯な協議を継続する」としている。