親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる熊本市の慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』いわゆる赤ちゃんポスト、そして病院の一部の職員にのみ身元を明かして出産する『内密出産』。29日、大阪・泉佐野市がこれらに取り組む意向を示しました。
実現すれば国内3例目、また行政主導の取り組みとしては初のケースとなります。慈恵病院、熊本市のきょうの受け止めです。
大阪府・泉佐野市の千代松 大耕市長は『赤ちゃんポスト』『内密出産』に取り組むため慈恵病院など先行事例を現地調査するなどの費用800万円の補正予算案を6月定例議会に提出する方針です。
設置する場所や医療機関などは決まっていませんが市は早ければ来年度にも運用を始めたいとしています。
【蓮田 健 理事長】
「大阪という大都市にゆりかご・赤ちゃんポストや内密出産ができることは、とてもありがたいわけです」
国内で初めて2007年に『ゆりかご』を、そして2019年に『内密出産』を独自に導入した慈恵病院の蓮田理事長は、期待を示しつつ『泉佐野市へのお願い』として、こう述べました。
【蓮田 健 理事長】
「一つは匿名性の保障。(女性を)説得して匿名性を撤回させるようなことはしないと。もう一つはお金のこと。お金は彼女たちに求めるべきではない。泉佐野市で始まる内密出産についてもなさるのなら無料」
蓮田理事長は泉佐野市の現地調査を歓迎するとし、慈恵病院の情報を徹底的に採り入れてほしいと語りました。
一方、熊本市の大西市長はきょう「全国的な広がりは望ましい」としたうえで、
泉佐野市が行政主導で設置し、取り組んでいくことについてこう述べました。
【大西 一史 熊本市長】
「これは簡単なことではない。私は市長になってからこの取り組みに関与する中でそう思っているので覚悟を持っていただくことが重要だと思う」