イルミネーションがきらめく街。
タイと隣接するカンボジアのポイペトです。
5月27日、ここに作られた特殊詐欺の拠点で20人以上の日本人が拘束されたのです。
FNNは複数の犯罪拠点があるとみられるこの街を取材しました。
塀で囲まれた拠点。
入るには警備員が見張る3つの門を通るうえ、内部はカメラで監視されていたということです。
現地警察による摘発のきっかけとなったのは、2025年1月に帰国した21歳の日本人男性からもたらされた情報でした。
愛知県警によると、男性は大手求人サイトでアルバイトに応募し、タイ経由でポイペトへ。
その後、8人ほどの中国人の管理下で警察官をかたる特殊詐欺に加担させられたということです。
今回の摘発で拘束された約30人のうち20人以上が日本人で、中には若い女性も含まれているということです。
また、拠点内からは複数のパソコンやスマートフォンとともに、日本の警察官の制服のような衣装も押収されています。
摘発の様子を見たという地元住民は「車がたくさん来て警察も集まっていました」「（警察車両が）6台から7台来ました。連行された人たちの顔を見ましたが、1人も見知った人はいませんでした」と話します。
拠点があったタイとの国境に近い街ポイペトは、世界遺産アンコールワットからは140kmほどの場所です。
街の一角を取材すると、中華系のレストランや中華系のマッサージ店など、中国系の店が立ち並んでいたのです。
夜はイルミネーションで彩られるこの一帯には、中国などの投資で作られたカジノが立ち並んでいます。
中国から不動産やカジノ産業への投資が数年前から活発化しているカンボジア。
街の発展に乗じて、中国系の犯罪集団が流入したのでしょうか。
今回、摘発された拠点でも、敷地内に中華系とみられる建物があるなど、その影響が垣間見られました。
8人ほどの中国人の管理下で特殊詐欺が行われていたとみられている今回の事件。
愛知県警は現地に捜査員を派遣し、詐欺容疑で捜査を進める方針です。
