10月にアメリカで開かれる世界100以上の国や地域が集まる世界最大級のビジネスコンテスト。その九州予選が先日、熊本市で開かれ、熊本の企業が優勝し、決勝戦への切符を手にしました。
【プレゼンの様子】
「究極にピュアな細胞レックで世界を変えるPuREC(ぴゅれっく)でした」
創業して間もない<新興企業>、昨今では<スタートアップ>とも呼ばれます。
その新興企業が自社のビジネスやアイデアを競う世界最大級のビジネスコンテスト『スタートアップワールドカップ』。アメリカのシリコンバレーを拠点に投資活動を行う『ペガサス・テック・ベンチャーズ』が開いていて、世界一に選ばれた企業には、なんと100万ドル日本円でおよそ1億5000万円の賞金が贈られます。
その世界大会に繋がる九州予選が去年に引き続き、ことしも熊本市で行われました。5月23日熊本城ホール大会には、スペシャルゲストとして「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文さんが登壇。
【スペシャルゲスト堀江貴文さん】
「世の中にない価値を作り出していくのが楽しい」熊本市の大西市長と対談し、若い世代にメッセージを送りました。
【スペシャルゲスト堀江貴文さん】
「スタートアップをやるんだったら10代20代が最適。僕もできることなら戻りたい」
さらに、スペシャルゲストの田村淳さんと大会会長のアニス・ウッザマンさんのトークセッションも。<終活>関連のスタートアップ創業者でもある田村さんは、<遺書>を動画におさめるサービスについて話しました。
【スペシャルゲスト田村淳さん】
「みんなメッセージを体が元気なうちに思考がはっきりしているうちに残されたメッセージ、履歴で残っているところに価値があると思っている」会場とオンライン合わせた観客数は、去年よりも500人多い、およそ2000人となり、注目の高さがうかがえます。そんな九州予選には、100社を超える企業の中から書類審査を通過した10社が登壇。
【プレゼンの様子】「<いつでも世界中の人と出会えるどこでもドアのようなものを作りたい>とソニーに入社し、20年超の研究開発を経て『結』株式会社を創業し、製品化したのがこの窓」
3分30秒という限られた時間でビジネスプランや思いを伝えるプレゼンテーションを行いました。熊本からは2社が参加。
【エルボーズ小谷草志(こたにそうし)代表取締役】
「<現場で使えるデジタル化こそが最も重要である>という考えのもとリサーチや業務の整理から一緒に企業のデジタル化を支援している」
製造業向けに注文書の手入力を自動化する商品を提供している『エルボーズ』です。地方のものづくり企業が世界に挑戦するためデジタル化を応援するエルボーズが今後の思いを語りました。
【エルボーズ小谷草志(こたにそうし)代表取締役】
「僕らはこれまで100件以上の現場でUX(ユーザ経験)の知見や業界特化したAIのモデルチームで伴走するDX力を鍛えてきた。熊本から世界へチャレンジをしていきたい」
また、2020年の東京予選で優勝を逃したという『トイメディカル』がことしの九州予選で雪辱を期します。
【トイメディカル竹下英徳社長】
「世界で初めて減塩をするのではなく、塩分をオフセット(相殺)することで摂取量を抑えることに成功した」味噌汁に入っているわかめなど海藻の成分からヒントを得て開発した、食事の味を変えずに塩分の吸収を抑制する技術についてアピール。そして、その技術で切り開く未来について話しました。
【トイメディカル竹下英徳社長】
「健康も美味しさも諦めない。そして世界の人が笑って暮らせる社会を作っていきたい。Tomakeyousmileが我々のスローガン」審査の結果、塩分の過剰摂取は世界共通の課題であることや実績などが評価され、『トイメディカル』が九州予選優勝に輝きました。
【トイメディカル竹下英徳社長】
「始まりは僕の友人が人工透析になって<ラーメン食べられない。何とかしてほしい>ところから始まった。〈食〉は人間の原点だと思う。〈食〉を楽しんでほしいという思いで今の事業を続けている。<世界にこの事業が広がっていくといいな>と思っている」
大会会長のアニスさんもトイメディカルに期待を寄せます。
【ペガサス・テック・ベンチャーズアニス・ウッザマンCEO】
「トイメディカルの商品や技術に私も興味あるし、見てて<これだったら、シリコンバレーでもかなり強く闘える>と思う」
トイメディカルは、10月にアメリカ・サンフランシスコで開かれる世界大会に出場。世界一、そして優勝賞金100万ドルをかけて100以上の国や地域から勝ち上がってきた企業と競います。