宇城市が「水俣病は感染症」と事実と異なる表記のカレンダーを全世帯に配布した問題を受け、末松市長や市の職員が水俣市で研修を行いました。市長は改めて謝罪し、「学び直しを行い人権啓発に力を入れたい」と話しました。

ことし2月、宇城市が市内の全世帯・2万3230軒に配布した今年度のカレンダーに、「水俣病は感染症」と事実と異なる表記が掲載されました。

水俣病は、メチル水銀に汚染された魚介類を食べたことによる中毒症で、人に感染することはありません。

この問題を受け、宇城市の末松直洋市長や人権啓発担当の職員およそ30人は、きょう水俣市の水俣病資料館を訪れ、水俣病の偏見や差別を生んだ歴史などについて職員から説明を受けました。

【宇城市末松直洋市長】
「患者さんや関係団体に悲しい思いをさせたことは誠に申し訳ない。職員は私を筆頭に学び直しをして人権啓発に力を入れていきたい」

宇城市の末松市長は「関心が薄れていたのは事実。学び直しを行いたい」と話し、午後は水俣病歴史考証館を訪問。職員とともに、水俣病に対する偏見や差別の歴史的資料を見て学びました。

【宇城市の職員】「宇城市が発行したカレンダーで間違った情報を伝えてしまった。宇城市の職員一人一人がもう一度、学び直しして家族や周りに正しく伝えていくことが重要だと思う」

宇城市では全職員およそ690人が、人権啓発に向けて水俣病やハンセン病などについて学び直しを行いたいとしています。

水俣病をめぐっては『家庭教師のトライ』を運営するトライグループが、オンライン教材で「水俣病は遺伝する」と事実と異なる内容を記述していたことが分かり、訂正する事態となっています。

テレビ熊本
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