熊本県内では今年に入って電話で「お金」詐欺の被害が過去最悪を上回るペースで拡大していて、極めて深刻な状況です。中でも、息子や娘、警察官などをかたって金をだまし取る「オレオレ詐欺」が最も多く、警察が注意を呼びかけています。
熊本県警によりますと、今年1月から今月20日までの間に電話で「お金」詐欺の被害が県内で88件確認されていて、被害額はおよそ4億1300万円。去年の同じ時期に比べて被害件数、金額ともにおよそ3倍となっています。
1年間の被害金額としては過去最悪だった2014年のおよそ6億4000万円を上回るペースで被害が拡大しています。
最近の傾向としては息子や娘、警察官などをかたって金をだまし取る「オレオレ詐欺」が最も多く、全体のおよそ6割を占めています。
また、被害者の特徴として男性は携帯電話にかかってきた公的機関をかたる人物にだまされ、金融機関や郵便局のATMで送金してしまうケース。
女性の被害者は固定電話にかかってきた「息子」をかたる人物にだまされて自宅で現金などを手渡してしまうケースが多いということです。
県警によりますと、被害者の多くは80歳以上の高齢者で、最近の詐欺の手口を知らない人だということです。警察は「知らない番号からの電話には出ない。相手が息子などを名乗ったら把握している番号にかけなおしたり家族や警察に相談したりしてほしい」と注意を呼びかけています。