警察の留置施設で説明なく収容者を監視カメラのある部屋に入れたのは人権侵害だとして、大阪弁護士会は、「特別な事情がない限り、カメラのある部屋に入れず、入れる場合は事前に説明する」よう、大阪府警本部に勧告しました。
大阪弁護士会によると、3年前、羽曳野警察署に拘留されていた、当時30代の男性は、27日間にわたって、説明なく監視カメラの付いた部屋に入れられたということです。
男性は、部屋の天井の穴の中にカメラが設置され、監視台のモニターに、部屋の様子が映し出されているのが確認できたといいます。
男性からの人権侵害救済の申し立てを受けた弁護士会が、大阪府警本部に、カメラの設置について確認したところ、回答を拒絶されたということですが、申告内容が具体的であることなどから、カメラは設置されていたと判断。
人権侵害が認められるとして5月27日付けで大阪府警本部に対し、「監視を必要とする具体的事情が認められない限り、監視カメラ付きの居室に収容しない」ことなどを求める勧告をしました。
弁護士会は、大阪府警がカメラに関する回答を拒絶したことについて、「法務省管轄の刑務所や拘置所と違い留置所についてはカメラ設置についての情報が入ってこない。
強大な権力を持って拘束する留置所は、人権侵害が起きやすい場所であり、秘密主義でいいのかという問題がある」と話しました。
大阪府警本部は「本件については特にコメントを出す予定はない」としています。