本格的な夏の到来を前に、注意が必要となるのが熱中症だ。福岡県内では2025年に入りすでに真夏日を観測するなど、例年より早い時期から気温の高い日も出てきている。6月1日からは職場での熱中症対策が義務付けられるなど、熱中症への備えが重要性を増している。

熱中症への備えが重要に
熱中症への備えが重要に
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専門医が指摘「梅雨時期でも熱中症の可能性」

福岡県粕屋町の福岡青洲会病院では、5月に入り早くも熱中症で救急搬送されるケースが出ている。「梅雨の時期は湿度が高く汗が蒸発しにくいため、体内に熱がこもりやすくなる。その結果、熱中症を発症する可能性は十分に考えられる」と救急科の野村竜也医長は梅雨時期特有のリスクを指摘する。

では、本格的な暑さが来る前に、どのような対策を講じればいいのか。野村医長が強調するのが「暑熱順化」の重要性だ。「今のうちから軽い運動やぬるめのお風呂で汗をかく習慣をつけるなど、体を暑さに慣らしておくことが大切。1週間程度続けることで、体が熱を発散しやすくなるといわれている」。

福岡青洲会病院 野村竜也医長
福岡青洲会病院 野村竜也医長

進化する暑さ対策アイテム  最新技術で熱中症予防をサポート

体の準備と合わせて活用したいのが、暑さ対策のアイテム類だ。作業服などを扱う「#ワークマン女子」の福岡市内の店舗を訪ねると、機能性に優れた新商品が登場していた。

店舗には暑さ対策のアイテムが並ぶ
店舗には暑さ対策のアイテムが並ぶ

▽「エアロクラスター チタンコーティングガーデンキャップ」(1280円・税込)
首元に保冷剤を入れられるポケットが付いているほか、裏地にチタンコーティングを施し、紫外線や熱を遮断する効果が期待できる

「エアロクラスター チタンコーティングガーデンキャップ」
「エアロクラスター チタンコーティングガーデンキャップ」

▽「ウィンドコアアイス×ヒーターペルチェベストPRO」(2万1800円・税込)
冷却プレートを5カ所に増やし、従来品より冷却効果を高めている。小型化されたバッテリーで、長時間の連続使用も可能という。

「ウィンドコアアイス×ヒーターペルチェベストPRO」
「ウィンドコアアイス×ヒーターペルチェベストPRO」

▽「暑熱バンドPRO」(2900円・税込)
腕に装着することで心拍データから深部体温の上昇を推定し、熱中症のリスクが高まると振動とLEDで知らせる。防水や防塵性能も備えている。

(商品は店舗によって売り切れになっている場合もあります)

「暑熱バンドPRO」
「暑熱バンドPRO」

「職場での熱中症対策」が義務に

近年の記録的な猛暑を受け、6月1日から「職場での熱中症対策」が義務化される。具体的には、従業員が熱中症を疑われる場合の報告体制の整備や、症状の悪化を防ぐための措置や手順を定めることなどが求められる。違反した場合には6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性もあり、企業側の対策が一層重要になる。

義務付けられる内容
義務付けられる内容

厚生労働省によると2022年以降、職場で熱中症により死亡した人は3年連続で30人を超え、その多くは建設業や製造業、運送業で発生している。ほとんどのケースで「初期症状の放置や対応の遅れ」が指摘されているという。

年々高まる熱中症のリスク。個人での対策はもちろん、社会全体での意識向上が求められている。

(テレビ西日本)

職場での熱中症による死亡者
職場での熱中症による死亡者
テレビ西日本
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