福岡県北九州市で87歳の男性の遺体が遺棄された事件です。
死体遺棄の疑いで逮捕された女が、男性が行方不明になる直前に男性を乗せた車を運転していた疑いがあることが分かりました。
◆福田容疑者の知人
「男の人も好きだし、お金も好きだし。(華山)龍馬と龍一の間でトラブルがあったのも知っている」
知人が語った女の知られざる一面。
その女とは、死体遺棄の疑いがもたれている福田真美容疑者(42)のことです。
事件が発覚したのは5月20日。
北九州市小倉南区にある資材置き場で、土木建築会社役員の華山龍一さん(87)が遺体で見つかったのです。
◆遺棄現場の近くに住む人
「この辺ですね」
Q.掘っていた?
「そうです。すごい数の人が入っていた。重機で掘っていたから『何か掘りよんかね』と。『人でも掘りよんかね』と主人とは話していた」
遺体で見つかった龍一さんは首を絞められ殺害されたとみられ、遺体は複数のシートのようなものでくるまれた状態で見つかりました。
◆福岡県警の会見(21日)
小倉北警察署 谷山浩一郎署長
「被疑者は、会社役員・華山龍馬、46歳」
捜査本部は遺体を遺棄した疑いで、龍一さんの長男で土木建築会社の社長・華山龍馬容疑者(46)と知人の福田容疑者(42)を逮捕しました。
2人は容疑を否認しています。
◆遺棄現場近くに住む人
「(警察が)小倉北区の方で事件があって行方不明の人がいるからお宅のカメラを見せてくれと来た」
龍馬容疑者らが龍一さんの遺体を遺棄したとされるのは4月18日。
その前日、龍一さんは北九州市小倉北区の自宅を出た後、行方不明になっていたのです。
◆記者リポート
「遺棄される前日の午後4時ごろ、龍一さんが不審な車両に乗り込む様子が防犯カメラに写っていました」
捜査関係者によりますと、不審な車には福田容疑者と龍馬容疑者が乗っていて、車は福田容疑者が運転していたとみられることが新たに分かりました。
一方、龍馬容疑者は逮捕前、周囲にこんな話をしていたといいます。
◆龍馬容疑者の知人
「(龍馬に)『最後に華山会長があったのは誰なのか?』と聞いた。その時『福田真美さん』と聞いていた。(防犯カメラに)福田真美の車が映っていたという話」
龍馬容疑者は、福田容疑者が運転する車に乗った龍一さんが北九州市小倉北区の関係先まで向かったと説明していたというのです。
◆龍馬容疑者の知人
「『どこまで行ったか?』と聞いたら、(〇〇で降ろした)」
Q.福田容疑者は龍一さんを車から降ろした後、会っていない?
「そうですね。それから会長の行方が分からなくなっているという話。『なんでその子が?』と聞くと『親父(龍一さん)とも仲が良かったから、いろいろ家族の相談もしていたから、それで親父(龍一さん)のところに行ったみたい』と」
逮捕前に知人にこのように語っていた龍馬容疑者。
捜査関係者によりますと、龍馬容疑者は知人たちに事件のことを隠した上でこうした話をし、アリバイ工作に加担させていた疑いがあり、捜査本部は証言の信憑性を慎重に調べています。
◆華山龍一さんの知人
「(龍一さんは)意思が強いというか。悪い意味で頑固というか、昔気質、昭和の親父」
Q.龍馬容疑者は?
「おとなしかった。(龍一さんと)対照的だった」
そもそも龍馬容疑者と福田容疑者、そして龍一さんはどんな関係なのか。
福田容疑者の昔からの知人はー
◆福田容疑者の知人
「(福田容疑者は)お金を月々もらう。(援助は)月最低30万(円)じゃないですか」
Q.何年くらい前から?
「確実に5年以上はなります」
Q.車は?
「車は龍馬さんの持ち物と思う」
子供のころから龍一さんや龍馬容疑者と家族ぐるみの付き合いがあったといいます。
龍馬容疑者は、自身の母親が亡くなった10年以上前に既に両親を亡くしていた福田容疑者の面倒をみるよう託されていて、金銭の援助をすることもあったということです。
◆福田容疑者の知人
「龍馬容疑者は優しい人と聞いたこともあるし、子煩悩だし、腰も低いしと聞いているし、(金遣いも)女の人にはどんどん使い切るような男性だったので、福田容疑者はそれを引き出すのは物凄くうまかったと思う。甘え上手というか、この世の中の9割の男の人は騙されると思います」
龍一さんの遺体が遺棄された際、現場の資材置き場にはいなかったとみられている福田容疑者。
捜査本部は容疑者2人の役割や動機を調べるとともに、殺人の疑いも視野に捜査を進めています。