国民民主党の玉木代表は27日の記者会見で、与党と立憲民主党が大筋で合意した年金制度改革法案の修正案について、税負担の財源が明示されていないと指摘し、「今のままだと毒入りあんこの入ったあんパンだという批判は免れない」と強調した。

年金制度改革法案の修正をめぐっては、自民・公明・立憲の3党は27日午後に党首会談を行い、正式に合意する。

これに関し、玉木氏は会見の中で、「底上げには我々は賛成している」とした上で、「基礎年金の半分が税金なので、その額がある程度上がれば投入額も増え、税負担が約2兆円増える」との見方を示した。

そして、「その財源が全く明示されないまま、与党第一党と野党第一党で将来の増税を決めてしまうのは極めて拙速だ」と強調した上で、「今のままだと、毒入りあんこの入ったあんパンだという批判は免れない」との認識を示した。

さらに、「単に自民党に言われて抜いたあんこを戻すだけではなくて、他に入れるべきあんこがあるのではないか。戻すあんこの中に実は毒が入っているのではないか。注意だ、混ぜるな危険という意味で、説明責任を果たす必要があるのではないか」と訴えた。

一方で、修正案への賛否について、「役員会でもよく話したい。まだ決めていない」とした上で、党として国会に提出する方向で調整を進めている独自の修正案の内容について、年金の底上げの財源として、カナダで導入されている所得の高い高齢者に対する年金の減額措置「クローバック(=払い戻し)」と呼ばれる仕組みを検討していることを強調した。

玉木氏は「時間をかけて真にやるべき年金改革をちゃんと議論し、与野党合意の中で通していくことが必要だ。先送りするような法案を拙速に通す必要はない」と強調し、6月22日までの今国会の会期について、「延長してでもやればよいのではないか」との考えを示した。

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