名古屋市議会の上園晋介副議長(49)が25日会見を行い、名刺交換した26人の氏名や連絡先を本人の同意なしに、2026年アジア大会ボランティア希望者として組織委へ提出したと認め謝罪した。議員1人あたり30人のノルマに追われ、無断登録に及んだと説明し、了承済みは家族4人のみだったという。

「あきれの方が強い」無断登録発覚で副議長が謝罪会見

名古屋市で25日、名古屋市議が謝罪会見を行った。理由は、市民の個人情報に関わるものだ。

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26日のテーマは、「市議が市民をボランティアに勝手に登録 ソレってどうなの?」。

問題の人物は、名古屋市議会の副議長をつとめる上園晋介市議(49)。

名古屋市議会・上園晋介副議長:
今回、個人情報を流出させてしまった方に対して、改めて深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ございませんでした。

2026年9月から名古屋市などで開かれるアジア最大のスポーツ祭典、アジア・アジアパラ競技大会。4年に1度開催され、日本では32年ぶりの開催となる。述べ4万人のボランティアを募集している。

そうした中、5月13日、ある男性に運営事務局から身に覚えのないメールが届いた。そこには、「ボランティアにご応募いただきありがとうございます。ご応募が完了しました」とあった。

男性はボランティアに応募していなかったため、コールセンターに問い合わせた。するとその後、上園市議から電話があったという。

アジア大会ボランティアに勝手に登録された男性:
(上園市議から)「無作為に自分のためている名刺の中から使ってしまいました」「自分の一存でやりました」ということなので「直接今から謝りにうかがっても宜しいですか」と連絡がありました。

上園市議はFNNの取材に対し、謝罪を申し出たことを認めた。

名古屋市議会・上園晋介副議長:
自分の呼びかけた中に身に覚えがなかったということなので、然るべき対応を取らないといけないと思っています。

そして、25日の会見では、過去に名刺交換した26人の個人情報をボランティア希望者として、アジア大会の組織委員会側に無断で提出したことを明かした。

名古屋市議会・上園晋介副議長:
罪悪感はなかったですね。今思えば。

名古屋市民の皆さんに、街で聞いた。

名古屋市民:
びっくり。(情報を)勝手に使われるのは危ないし無責任。

名古屋市民:
悪いことをしているし、やった時点で今まで何してきたのか全然常識がない。

名古屋市民:
ボランティアの考え方が基本的に間違っている。あきれの方が強い。

ボランティア30人ノルマが問題の背景に

青井実キャスター:
岩田さん、皆さん呆れてますが、いかがでしょうか。

SPキャスター岩田明子さん:
もう呆れというか怒りというか。事前に了解を取るのは当たり前のことなんですけど、選挙で勝って、市政を進める立場の人が何をやっているんだという気持ちですね。ちゃんと謝ってほしいです。

今回の問題の背景にあったのは、議員に課せられた「ノルマ」だった。実は、延べ4万人のボランティアの募集が難航しているという。そのため、市議会の一部の会派では、このようなことがあったと話す。

名古屋市議会・上園晋介副議長:
「1人あたり30人は目標として頑張っていこうじゃないか」という確認をした上で、スタートしました。提出期限に追われて、26人に結果的に同意を得ずに提出したことは言い逃れできない。

関係者によると、名古屋市議会の複数の会派が設定したノルマは議員1人あたり30人だった。

名古屋市議会・上園晋介副議長:
30人のうち了承してもらったのは4人。(無断ではないのは)家族。妻と息子と娘です。

取材班:
あと1人は?

名古屋市議会・上園晋介副議長:
私です。

名前や電話番号などは名刺の情報を使い、生年月日は名刺の人の顔を思い出して推測で記入したという。

一連の問題を受け26日、アジア大会の組織委員会会長を務める愛知県の大村知事が取材に応じた。

愛知県・大村秀章知事:
これが事実であれば、極めて遺憾であり残念だと思っております。(ボランティアは)一人一人の自主的なご厚意でやっていただいて応援していただくものなので、あくまでもご本人の意思が大前提であります。

上園議員は25日の会見で、現時点で議員辞職は考えていないと話している。
(「イット!」5月26日放送より)

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