コメの高騰が続くなか、備蓄米放出に関し小泉農水相は、「随意契約」で30万トンを毎日先着順で放出すると、5月26日表明しました。週末、北海道を訪れ理解を求められた関係者はどう捉えたのでしょうか。
「一層のスピード感と危機感を持ってコメ価格についての国民の不安を払しょくしていく。強い決意のもと事務方とも連日議論しながら具体的な内容を取りまとめました」(小泉進次郎農水相)
今回行われることになった「随意契約」では、2022年産が20万トン、2021年産が10万トン、計30万トンの備蓄米が売り渡されます。
売り渡し価格は60キロあたり税抜き平均1万700円で、店頭価格は在庫分とブレンドしない場合、5キロあたり2000円ほどになる水準だということです。
「私がやらなければいけないことは、とにかくコメだと。コメ担当大臣だと」(小泉農水相)
急転直下、事実上の更迭となった江藤前農水相に代わり、新たに就任した小泉進次郎氏。
「早ければ6月の頭ぐらいに2週間以内に随意契約でおろしたものが、店頭には2000円台で並んでいることを目指している」(小泉農水相)
備蓄米を多く安く流通させることで、5キロ4000円台と高止まりするコメ価格の引き下げに取り組むと表明しました。
そんな小泉大臣が5月24日に姿を見せたのは…。
札幌市でのコメの生産者、流通や小売業者などとの意見交換会です。「5キロ2000円」の実現に向け、理解を求めました。
「コメの異常な高騰はこれ以上高止まりを続けていたら、農家の皆さんもおいでですけどもコメ離れを加速させかねない」(小泉農水相)
止まらないコメ価格の高騰。スーパーでの5キロあたりの平均価格は2024年9月に3000円台、2025年3月に4000円台を突破しました。5月12日~18日までのデータでは、4285円と2週連続で最高値を更新しました。
会合の参加者は―。
「こんなにコメが高くなっては困る。消費者が安心してコメを買える政策をしてほしい。我々もちゃんと生活できる単価さえつけていただければ何もいうことはない。(5キロ2000円が)ベースになっちゃうと困る。5キロ3000円になってもらわないと我々も困る」(東神楽町のコメ農家の久保宣夫さん)
「コメ離れになったら困る。農家にとって切実。コメがある程度価格が安定さえしてくれればいい」(東神楽町のコメ農家の蒔田栄さん)
「これからのコメの小売価格は、生産者にとってはコストがかかってきているので、適正価格をどうやって作り上げていくか、これから大事。5キロ3400~3500円くらい」(JA北海道中央会の樽井功会長)
「(Q:随意契約は?)やりますよ。全面的に支援します。一緒にやりますと約束した」(流通大手アークスの横山清会長)
消費者も生産者も納得できるコメの適正価格はどこなのか。備蓄米の随意契約が大きな流れを変えるのか注目です。
小泉大臣は、26日午後の参院決算委員会の中で、
「今週中に随意契約での契約を完了させ、毎日受付、毎日販売をする」
「6月には備蓄米が店頭に並ぶ」と話しました。
今回行われる「随意契約」で売り渡される備蓄米は、2022年産が20万トン、2021年産が10万トンの計30万トン。需要があれば、さらに無制限で放出されるという事です。
随意契約は何が違うのか?
これまでの備蓄米は、集荷業者らの入札で、高値を出した業者が落札していました。
随意契約は、政府が決めた価格で小売業者等と直接契約する仕組み。
今回、政府は60キロ1万700円(税抜き)で備蓄米を売るとしました。そうするとスーパーなど小売りでの店頭価格は、5kgあたり 税抜きで2000円程となる想定です。
北海道内の大手スーパーに、「随意契約」への意向を取材したところ、アークスは随意契約をする意向があり、コープさっぽろは情報収集中、イオン北海道は検討中との事です。