いま、2024年の同じ時期の倍以上に上昇しているコメの販売価格。5月21日に国会で行われた首相と野党党首の党首討論で、石破茂首相は「コメは(5キロ)3000円台でなければならない。4000円台ということがあってはならない」と数値目標について言及。価格抑制に取り組む姿勢を強調した。
農家「3000円台と決めないで」
福岡・福津市の本木地区。昔からコメ作りが盛んな地域だ。

「今年、コメが足りないということで、少しでも早く田植えをしました」と話すコメ生産農家の桒野由美さん。早場米の田植えを終えていた。

「植えた品種はコシヒカリ。次が6月に田植えで10月に収穫できる予定です」といまは普通米の準備を進めている。

桒野さんは、石破総理が3000円台でなければならないと事実上、政府がコメの価格を決定することに疑問を感じている。

それは、肥料や燃料費など生産コストは年々上昇していて、出荷価格に上乗せしなければ、経営を持続することは難しい現実があるからだ。

桒野さんは「(3000円台)と決めたらいけないでしょう。買う人の選択肢のなかのひとつで、3000円台はあっていいかも知れない」と話す。

「例えば、子どもがたくさんいて質より量という人は1000円台とか2000円台のコメがあってもいいと思う。それを買ったらいい。1キロ1000円のコメを買う人もいるかもしれない。それは選択、消費者が選ぶ時代だと思う」。

最終的には、さまざまな価格帯のコメの中から消費者が自由に選ぶべきだと考えている。
新農相「5キロ2000円で店頭に」
石破政権の新たな顔になった小泉進次郎農林水産相。就任早々、備蓄米の放出を入札から随意契約に変更する案を打ち出し「5キロ2000円で店頭に」と発言した。

「コメを買ったことがない」と講演で発言し、辞任に追い込まれた江藤拓前農林水産省は、同じ講演で「これをやった、あれをやった。これは僕の功績です。これも僕がやりましたという政治家を信用しちゃ駄目です。やって当たり前なんですから」と発言していた。

コメの価格抑制と安定供給。その道筋をどうつけるのか。新大臣の動きに注目が集まっている。
(テレビ西日本)