2024年、JR砂川駅構内で不適切な保線作業が行われたことなどをめぐり北海道運輸局から改善指示を受けたJR北海道で、改善報告後も貨物列車の非常停止を招いたり、運転士の操作ミスで乗客4人がケガをしたりするなど不祥事が相次いでいます。

 事態を重視した道運輸局と国土交通省は5月23日、継続的・集中的に保安監査を行う「強化型保安監査体制」をJR北海道に初適用すると発表しました。

 JR北海道では2024年11月、JR砂川駅構内で保線作業員が必要な見張りを置かずに作業をして、貨物列車から汽笛を鳴らされたりしたほか、作業員が「保安体制をとっていた」と嘘の報告をしたり、その上司が見張りを配置しなかったことを隠そうと、作業計画表などを改ざんするなどしていました。


 この問題を受け、道運輸局は2025年2~3月にかけて、臨時の保安監査を実施した上で、3月31日にJR北海道に対して改善措置を講ずることを指示。4月30日、JR北海道は、社内ルールが確実に実行されていることを確認する仕組みの構築や社内教育の見直しを含めてコンプライアンス及び安全意識の再徹底を図ることなどの改善措置を報告していました。
 
 しかし、JR函館線・長万部~国縫間で5月9日、レールの取り換え作業中に列車接近の確認に専念すべき見張り員が作業に加わったことで、貨物列車が非常停止する問題が発生しました。さらに15日には、あいの里公園駅から札幌駅に向かっていた普通列車が運転士が必要な操作を忘れるミスをしたことで非常停止し、乗客4人がケガをする問題も起きました。

 道運輸局は「改善報告後も不適切な事象・負傷者が出た事故が発生していることは重い」として、2027年までの2年間、国土交通省鉄道局と道運輸局が合同し、継続的・集中的に保安監査を実施する「強化型保安監査体制」を適用すると発表。道運輸局によりますと、この「強化型保安監査体制」を適用するのは全国の鉄道会社で初めて。5月27日~30日までの4日間、この体制後初めての立ち入りをし、安全対策の確認が行われます。

北海道文化放送
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