23日午後1時半の東京・江東区のスーパーで、米売り場に姿を見せた小泉進次郎農水相。

小泉進次郎農水相:
こんなに棚が空いてるんですか。

品薄が続く売り場からブランド米を手に取り、“コメ担当大臣”自ら店頭価格をチェックしました。

スーパーの米売り場に続き、創業65年を数える都内の精米店を視察した小泉農水相。
その最中、「大臣、農家のことも考えてやってください!」という痛烈なやじが。

注目の新大臣を見ようと集まった人たちが囲む中、備蓄米を流通させる秘策を得ようと小泉農水相は質問を繰り返します。

小泉農水相:
ちなみに備蓄米を混ぜないで、そのまま売ることは考えない?

精米店担当者:
基本的には、来てどんな感じか。

小泉農水相:
まず自分で食べてみて。最近よく聞くのは、おすし屋さんとかで「むしろ古米を混ぜて使いたい」と。

精米店担当者:
よくいますね。

就任3日目、小売り現場の状況を確認した小泉農水相は、「やはり相当大胆なことをやらなければ状況は変わらない。改めて決意を新たにしたところです」と述べました。

23日は就任後、初の閣議に臨み、その後、面会した人物は楽天グループの三木谷会長。
備蓄米のネット販売での協力を要請したのです。

小泉農水相:
今まで備蓄米については、世の中に流れないか苦労してきたんですけど、ネット販売も含めてさまざまな流通の形を模索していかないと。

要請を受け、随意契約に参加する意向を示した三木谷会長。
面会後、楽天のサイトで販売するプランを明かしました。

楽天グループ・三木谷会長:
ネットの場合は予約販売もできますし、例えば精米機とパッケージにして買っていただくこともできるのでは。

玄米のままの備蓄米と精米機のセット販売で、流通をスピード化することなども想定しているといいます。

楽天市場で家庭用精米機を検索すると、相場は1万円から2万円ほど。

備蓄米とのセット販売について街では、「体験してみたいというのはあるが、実際に買って(精米)やるのはちょっと現実的じゃない」「精米機置くところもないし、お米が高いと思わなくなるくらい、私たちの手取りの賃金上げてくれるといいんじゃないかな」などの声が聞かれました。

フジテレビの番組で、6月にも備蓄米の店頭価格2000円台を目指すと明言した小泉農水相。
他の場面でも「6月上旬には2000円台の備蓄米が店頭に並ぶよう、今進めています」と語りました。

さらに、都道府県ごとの備蓄米の店頭価格を毎週公表する方向で検討していることも分かりました。

そうした中、田植えが進む栃木県の米農家からは、2025年の米の収穫への不安の声が。

舘野かえる農場・舘野廣幸さん:
温度が上昇して、冬を越す親のカメムシが増えて生き残るようになった。

稲の養分を吸い被害をもたらす「イネカメムシ」が急増。
2024年は収穫量が4割減少したといいます。

米担当の小泉農水相に対し、生産者が自分たちで価格を決められる仕組みを作ってほしいと訴えます。

舘野かえる農場・舘野廣幸さん:
「うちはこういうこだわりだから、いくらで売りたい」とか、生産者がちゃんと言うべきだと思う。

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