「コメは買ったことがない」発言で事実上更迭された江藤拓前農水相にかわり、小泉進次郎農水相が新たに就任しました。

石破首相はなぜ小泉氏に白羽の矢を立てたのか、永田町取材に定評があるジャーナリストの鈴木哲夫さんがその内幕を解説しました。

■「仲間が少ない」

川崎健太キャスター:
この大ピンチに石破首相が進次郎氏を起用した理由なんですが、鈴木哲夫さんの取材によるとポイントはこの3つですね。1つは石破さんと同じ改革路線、そして発信力。この2つはわかるんですけど、3つ目の「仲間が少ない」というのはどういうことでしょうか。

鈴木哲夫さん:
これは石破さんが僕に直接言ったんですが、要するに「自民党内の支持基盤が弱い」ということですよ。「江藤さんがダメだった、じゃあ次に誰か」という時に、けっこういろんな人はいるんだけども、やっぱり自分を支えてくれる近い人は限られていると。

で、なぜ進次郎さんかというと、僕の取材では菅義偉元首相にちょっと相談しているみたいですね。これは進次郎さんもしてるしね。菅さんは要するに反岸田のグループじゃないですか。菅さん、石破さん、進次郎さん、河野さん。農業政策では改革路線というのは、進次郎さんと石破さんは同じなんですね。だからもうここは「“突破力”で行くしかない」ということでしょうね。


■「5キロ3000円台」発言の理由

川崎キャスター:
「進次郎さんしかいなかった」と言えるかもしれないですね。そして石破首相は21日に「コメは5キロ3000円台でなければいけない」と言いました。そして「これができなければ責任を取る」と明言しました。

そこでコメの流通に詳しい専門家に今後の価格の見通しを聞きました。備蓄米の入札をやめて随意契約にすることなども考慮すれば、早ければ3週間後つまり6月中旬か下旬には3900円程度まで下がるだろうということなんです。となると、夏の参院選に間に合うことになるんですけど、石破さんはシナリオ通りに行くと見てるんですかね。

鈴木哲夫さん:
行かなきゃダメだってことですよね。これは随意契約というのが非常に大きくて、この前ちょっと改革しようとしたんだけど、やはり「JAを通して1ヶ月以内」ということになった。JAを飛び越してやるというのを、本当は石破さんやりたかったんです。でも、農水省の抵抗でそれができなかった。

今回、この更迭劇というのはいいきっかけになったわけです。もうここまで来たら、もう思い切ってやりたいことをやるぞと、進次郎さんに随意契約は直接指示してますから、中をすっ飛ばして、とにかく直接小売に近いところと取引をやってと。やりきれなければ参議院選挙ではマイナス、やりきれたらプラス、そういう瀬戸際だと思いますよ。

川崎キャスター:
何が何でもこれは達成するということですね。ここまで哲雄さんの解説でした。

(2025年5月22日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)

テレビ西日本
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