大雨による災害のおそれが高まる梅雨の時期に入ります。
その中で近年、リスクを指摘されているのが「内水氾濫」です。
内水氾濫とは、市街地などに短時間で局地的な雨が降ることにより、下水道や排水路から水があふれ出し道路などが浸水する現象です。
マンホールから水が噴き出すこともあります。
去年公開された福岡市・天神周辺の「内水ハザードマップ」をみると、浸水するおそれのあるエリアが黄色や赤色などで示されています。
マップによると天神の中心街を東西に走る「国体道路」の周辺では、最大3メートルの高さまで浸水するおそれがあるとされています。
街の人たちに、内水ハザードマップについて聞いてみると…。
◆住民
「いま(いるところは)今泉のあたりですよね。(マップでは)一番危険性が高い。知らなかった」
「今まで考えていなかったのでびっくり。安全な地域だと思っていました」
でも、内水氾濫のリスクがあるのは、マップが公開されている都心部だけではありません。
福岡市の住宅街を流れる樋井川。
川沿いの鳥飼地区はこれまでも浸水被害が繰り返し発生していて、排水施設を新たに作るなど水害対策が進められてきました。
しかし、福岡大学の渡辺亮一教授はリスクは高いままと指摘します。
◆福岡大学 渡辺亮一教授
「内水に対する対策はほとんど進んでいないので、いまだにこの地区は内水氾濫の危険性が高い」
にも関わらずこの地域の「内水ハザードマップ」はまだ作られていません。
道路の下にかつての農業用の水路が数多く残っていることなどがハードルとなっています。
◆福岡大学 渡辺亮一教授
「それをシミュレーションモデルの中に入れて、正確に表示するというのは作業としては難しい」
コストの問題などで県内で内水ハザードマップが作られているのは13自治体のみにとどまっていて、整備の進め方が課題となっています。