島根県隠岐の島町で20年に渡って町民に愛され、2025年4月に閉店した飲食店が5月19日、鳥取県米子市に移転オープンしました。
看板メニューは「ちゃんぽん」、長年親しまれた味を引き継ぐ親子の思いを取材しました。
坂西美香アナウンサー:
「オープン初日ということもあって、お店の前にはすでに長い行列ができています」
19日、米子市の繁華街にオープンした『隠岐ちゃんぽん ライトハウス』。
開店前から長い行列、そして、店内は満員。もちろん厨房も…フル回転です。
来店客:
「4年間仕事の関係で隠岐にいたんですけど、その時に結構通っていて。まさか米子でこの味を味わえると思っていなくて、本当にうれしいです」
このお店、もともとは隠岐の島町の隠岐空港で約20年、営業していました。
看板メニューは「ちゃんぽん」、かつて西郷港の近くにあった名物中華料理店『味太郎』の味を受け継ぎ、島民はもちろん、島を訪れる観光客にも愛された、まさに”島の味”でした。
しかし…。
原千代子さん:
「やはり娘がやりたいというので、今なら数年かけて指導することができるので、ここでいいタイミングだからということで、私も決断した」
長年、店を切り盛りしてきた原千代子さん。
77歳と年を重ね体力の限界も感じ始めたため、2025年4月に惜しまれながらも店を閉めました。
それからひと月あまり…。
原直美さん:
「みなさんに愛されてきた味なので、(母で)途絶えてしまうのはちょっとどうかなと思った」
長年親しまれた「島の味」がなくなるのはもったいないと、娘の直美さんが店を継ぐことを決意。
仕事を辞め、現在住んでいる米子市に新しい店を構えることにしました。
原直美さん:
「覚悟とプレッシャーとが結構ある中で、とにかくお母さんのそばで教えてもらってしっかりと覚えていこうかなと思っています」
野菜や魚介がたっぷり入ったとんこつちゃんぽん。
スープは千代子さんの直伝、麺は米子市内の製麺所が隠岐で使っていたものを再現。
『味太郎』のちゃんぽんをそのまま引き継ぎました。
また、椅子やテーブルは隠岐で使っていたものを持ち込み、店の雰囲気も残すことができました。
そして迎えたオープンの日…。
Qお味はいかがですか?
来店客:
「おいしいですね。有名ってことは聞いていたのですごく楽しみにしていました」
「(隠岐の頃より)おいしくなっているんじゃないですかね、本当に。いや、でもおいしいです、変わらず」
隠岐時代、足しげく通ったという常連客も納得の味に仕上がりました。
原千代子さん:
「受け継ぎのちゃんぽんですので、これからも娘にはしっかりと受け継いでもらいたいなと思っている」
原直美さん:
「色んな方面からこの米子のライトハウスに来てもらって、ちゃんぽんの味を楽しんでもらいたいという気持ちがいっぱいですね」
親子で受け継いだ島の味、隠岐ちゃんぽん。
新天地でも多くの人に愛されるようにと、直美さんはその1杯に思いを込めます。