サクランボの主力品種・佐藤錦について、県内の複数の地域で受粉の時期の気温低下や強風などが影響し、実のなりが良くない園地が出ていることがわかった。

(サクランボ農家・会田平四郎さん)
「これ1個だけ、ものになるのは。1メートル50センチくらいの中で。これだけは残るが、小さい粒はもう落下。こういう小粒のは落下する」

ほかの佐藤錦の木を見ても、大きくと育っている実はほとんどない。

(サクランボ農家・会田平四郎さん)
「佐藤錦。まったく実がついていない。見る影もない。何粒ついているか数えたほうが早いくらい実がない」

山辺町の会田平四郎さんのサクランボ畑は、15アールのうち8割を佐藤錦が占め、毎年約500キロを出荷している。
しかし、ことしの佐藤錦の結実が悪く、大きな実は平年の1割にも満たない「危機的な状況」だという。

(サクランボ農家・会田平四郎さん)
「今までにない不作。(Q.平年と比べると?)皆無、まったく送れない」

現状を受け、会田さんは20日、佐藤錦の注文の受付けを止めた。
すでに注文を受けた客にも「ことしは発送できない」と断りの連絡を入れたという。
会田さんも4月中旬~下旬にかけての天候不順が結実に影響したとみている。

(サクランボ農家・会田平四郎さん)
「くもりの日・風が強い日があって条件が悪くて、佐藤錦にはうまく受粉がならなかった」

会田さんの園地では人工授粉を2回行ったが、強風の影響を受けめしべが乾いてしまい受粉しづらくなったという。

2024年、県内のサクランボは高温の影響を受け、平成以降で2番目の不作だった。
ことしこそはと意気込んだ先にあった「実が育たない」という思わぬ事態。影響が見えてきた地域では生産者の落胆が広がっている。

(サクランボ農家・会田平四郎さん)
「毎年生産者としては意欲をもって、『今年はやるぞ』という気構えでやっているが、自然相手だから自然には勝てなかった」

さくらんぼテレビ
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