大阪地検のトップ・検事正だった北川健太郎被告(65)が、部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている事件で、女性検事が北川被告から渡された直筆の文書を公開した。

公開された文書には北川被告の謝罪も
公開された文書には北川被告の謝罪も
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■女性検事「脅迫、口止めで被害を訴えられなかった」

女性検事は21日午前10時から日本外国特派員協会で記者会見し、この文書について「脅迫、口止めで被害を訴えられなかった」と述べた。

被害を訴える女性:被害を上級庁に訴えようとした。すると北川は『大地検の検事正による大スキャンダルであり、検察に対しても強烈な批判がある あたなたも属する大阪地検のためにも』と、脅迫、口止めされました。恐ろしすぎて被害を訴えられませんでした。

また女性検事はきょう=21日に開いている記者会見について、「検察組織内の犯罪と二次加害についての公益通報でもある」と訴えた。

記者会見する女性検事(21日)
記者会見する女性検事(21日)

■被害の申し出をやめるよう懇願「私の命に代えてやめていただくよう伏してお願いします」

公開された文書には、「私の命に代えてやめてほしい」と被害申告を思いとどまるよう訴える内容などが記されていた。

【北川被告から女性検事への文書より】
「今回の事件は、よりによって大阪地検の検事正による大スキャンダルであり、発覚した場合、私のみならず検察組織に対しても強烈な批判があることは明らかです」

北川被告
北川被告

「上級庁に訴えることをお考えのようですが、それだけは私の命に代えてやめていただくよう伏してお願いします。あなたも属する大阪地検のためということでお願いします」

※上級庁=高等検察庁や最高検察庁

「私の命に代えて」
「私の命に代えて」

■北川被告 初公判で起訴内容認めるも「同意があると思っていた」と無罪主張に転じる

北川被告は、大阪地検の検事正だった7年前、部下たちとの懇親会の後、酒に酔って抵抗できない状態の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている。

初公判では起訴内容を認めたものの、その後、北川被告は「同意があると思っていた」などとして、無罪を主張する方針に転じている。

その理由については、弁護人を通じて、「(起訴内容を認めたのは)そうすることで、事件関係者、検察庁にこれ以上迷惑かけたくないということにあった。検察庁に対する組織批判により、このような方針が間違っていたのではないかと思い、自らの記憶と認識に従って主張することにした」などと説明していた。

裁判での北川被告(法廷内イラスト)
裁判での北川被告(法廷内イラスト)

■文書には「ごめんなさい」「あなたと同じような被害者はいない」

しかし文書では、自身の行為を「加害行為」と認めているほか、「他の女性とも関係を持ったがいずれも好意を持っていることを双方が確認した上。あなたと同じような被害者はいない」という記述もあり、謝罪の言葉も記されている。

【北川被告から女性検事への文書より】
「私がこれまでに複数人の女性と関係を持ったことがあったことは事実です。しかしいずれの場合も、好意を持っていることを双方が確認した上でのことです。ですから、あなたと同じような被害者はいないと明言できます。あなたに対するものは弁解の余地はなく謝罪します」

「同じような被害者はいない」
「同じような被害者はいない」

「事件までは尊敬の対象であった私からの加害行為であり、そのこと自体赤の他人よりも大きなショックを受けていると思っています」

「全部私の責任です。本当にごめんなさい」

「弁解の余地はなく謝罪します」
「弁解の余地はなく謝罪します」

一方で、酒に酔っていて、性交をした記憶はあるもののそこに至る経緯などは覚えていないことも記されていた。

「覚えているのは性交の途中から」
「覚えているのは性交の途中から」
関西テレビ
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