発がん性が指摘される有機フッ素化合物、PFASが岡山県吉備中央町の浄水場から検出された問題で、住民に健康との関連は見られないという分析内容が示されました。ただ内容は暫定的なもので、不安の払しょくにはつながっていません。
問題について調査する岡山大学大学院の頼藤貴志教授が5月18日に町内で説明会を開き、分析の途中経過を報告しました。
業者が保管していた活性炭が原因となり、町内に飲み水を供給する円城浄水場で検出されたPFAS。2024年から町は住民に対してPFASの血中濃度を調べる検査に加えて健康調査を行っていました。
浄水場の水を飲んだ1150人と飲んでいない1805人を比較したところ、病歴や肝機能の数値などに大きな差はなく、現段階で、健康との関連は見られていないということです。
(岡山大学大学院 頼藤貴志教授)
「これで何か結論付けるというものではないと思う。もう少し血中濃度と(健康)調査票で得た項目などを結び付け、分析することが必要」
(円城浄水場PFAS問題有志の会 小倉博司代表)
「(Q.大差が見られなかったことについては?)ホッとも何もしていない。病気との関係は常に(血液検査の結果と)一緒に考えないといけない。子供のこと含め、町として具体的なアフターフォローに取り組んでほしい」
(吉備中央町 山本雅則町長)
「少しでも軽減できることはやっていこうと思う。その1つに、しっかりとした調査をしてもらい、明るいものが見えれば」
頼藤教授は今回の見解を暫定のものだとしていて、2、3カ月後に結論を示したいとしました。