2024年6月に熊本市中央区で酒を飲んで車を運転し、女性2人をはね死傷させた事故で、危険運転致死傷罪などに問われた男の裁判員裁判が5月19日から始まり、男は起訴内容を一部否認した。
危険運転致傷の罪に問われた男の初公判
起訴されているのは、熊本市中央区島崎に住む元ホストクラブ従業員・松本岳被告（24）。
起訴状などによると、松本被告は2024年6月15日の早朝、熊本市中央区細工町の県道で酒気を帯びた状態で軽自動車を運転し、トラックに追突。
現場から逃走しようと、車の走行を制御することが困難な時速70キロ以上で、約240メートルにわたって車をバックで走行させた後、歩道に突っ込み、その場にいた熊本市の児童相談所職員・横田千尋さん（当時27）を死亡させ、横田さんの知人の女性にけがをさせた罪に問われている。
男は起訴内容を一部否認
5月19日の初公判で松本被告は酒気帯び運転で事故を起こし、横田さんら2人を死傷させたことについては認めたものの、「バック走行中に、慌てて急ブレーキをかけたのではなく、止まらなきゃと思い、自分の意思でブレーキを踏みました」と起訴内容を一部否認した。
また、弁護側は「危険運転致死傷罪について定めた現在の法律では、速度についてのみ規定されていると考えられ、バック走行では危険運転致死傷罪は成立しない」と主張した。
一方、検察は「危険運転致死傷罪については過去の判例に基づき、速度だけでなく、実際の走行状況なども踏まえて判断すべきで、バック走行も考慮すべき重要な事実」と指摘した。
（テレビ熊本）
