キャッシュレス決済を巡り、顧客の獲得競争が各社で繰り広げられている。そんな中、三井住友フィナンシャルグループとソフトバンクがデジタル分野での新たな取り組みとして、決済サービスなどで連携すると発表した。今回の連携で「Vポイント」と「PayPayポイント」の相互交換が可能になる。
還元競争激化…三井住友とPayPayが連携へ
キャッシュレス決済を巡り、新たな連携の動きが明らかになった。

15日、取材班が向かったのは東京・杉並区の商店街だ。16日からキャッシュレス決済サービスのPayPayが、最大15%のキャッシュバックキャンペーンを行う。キャッシュレス決済サービスは今PayPayや楽天ペイ、d払いなど数多く存在し、利用者数も増加している。
街の声:
PayPayを使うことが多い。QUICPayとか、店によってはSuicaを使うこともあります。モバイルSuicaは便利。
街の声:
現金とSuicaとPayPay。クレジットカードが使えないところがある。PayPayが使えるとなったときは、多分一番PayPayが得かな。
また、キャッシュレス決済には利用すると、ポイント還元を受けられるサービスがある。ポイント還元率の高さ、つまりお得さを巡り、各社で顧客の獲得競争を繰り広げてきた。
街の声:
楽天ペイを使うことが多い。ポイントですね。クレジットと合わせて連動しているので。

そうした中で15日に新たな動きがあった。三井住友フィナンシャルグループとソフトバンクがデジタル分野での新たな取り組みとして、決済サービスなどで連携すると発表した。
ソフトバンク・宮川潤一社長:
コード決済でナンバーワンになりましたPayPayとクレジットカードナンバーワンの三井住友カード。この連合でお客さまにとって、利便性の高いサービスを提供して参りたいと考えております。

両社の連携により、三井住友カードが運用する「Olive」の決済方法として、従来のクレジットカードや「Vポイント」に加え、新たに「PayPay」での支払いが可能になる。その上で、今後はスマートフォンのアプリ同士で連携し、「Vポイント」と「PayPayポイント」がそれぞれ交換できるようになる。
利用者が500万人以上いる「Olive」のVポイントユーザーと、6900万人以上いるPayPayユーザーが作る新たなポイント経済圏だ。会見で三井住友側は、今回の連携の狙いについて、次のように強調した。
三井住友フィナンシャルグループ・中島達社長:
三井住友カードとPayPayを持っていれば、それで大丈夫と。こうした社会を実現していきたいと考えています。
専門家「ユーザーがカードを使いこなすことが必要」と指摘
今回の連携で、ポイントの相互交換が可能になるというメリットがある一方、専門家は注意すべき点をこう指摘する。

ポイ探・菊地崇仁代表:
デメリットは、それぞれ似たようなサービスがある。PayPayカードと三井住友カードで、どっちが得なのかというのを、ユーザーが選択して使いこなさないと本当にお得にはならない。
しのぎを削ってきたVポイントとPayPayが連携するとなると、気になるのはポイントの還元率の行方だ。
ポイ探・菊地崇仁代表:
大きいところが提携したというが、他の携帯キャリアの経済圏もあるので、そことライバル関係にある以上、下げていくことはあまりないと思う。還元率は変わらず、貯まるポイントの使い道が増えてメリットがある。還元率が下がることはあまりない。
2024年11月には、みずほ銀行と楽天カードが提携し、楽天ポイントが利用できる新たなクレジットカードを発行していて、各グループの競争は今後も激化しそうだ。
(「イット!」5月15日放送より)