北陸新幹線の敦賀から先のルート問題で石川県が孤立している。12日、東京都内で開かれた北陸新幹線の建設促進を求める大会。小浜ルートから米原ルートへの変更を目指す石川県に対し、沿線自治体からは冷ややかな声が…。いったい何が起きているのか。
北陸新幹線延伸着工は延期中だが…

北陸新幹線の敦賀以西のルートをめぐっては、2016年、政府与党は福井県の小浜から京都を経由するルートに決定した。しかし、地下水への影響など工事に伴う懸念により京都で反対運動が浮上し、着工は延期され現在もめどがたっていない。
この状況を受け、石川県内では自民党の議員や経済団体などからは再び「米原ルート」を推す動きが浮上したのだ。去年7月の石川県民会議では「小浜ルートで大きな課題が明らかになった場合、米原ルートを含めて再検討する」とした決議案が採択された。石川県の馳知事はこの「県民会議の決議」を石川県の考えとして12日の大会で伝える…としていたのだが…。

北陸新幹線建設促進大会で各県知事から指摘
12日、東京都内で開かれた北陸新幹線の建設促進大会。馳知事のほか、福井・富山の県知事や国会議員など約250人が参加した。
大会の冒頭、会長をつとめる福井県知事からこんな挨拶が…

福井県知事:
ルートの議論、様々な課題が山積はしておりますが、政争の愚にしてはいけない。私ども沿線の府県こそ一致団結して全力を挙げていくべきだと考えております。どうですか皆さん。
自治体の結束を求める内容に会場からは拍手が湧きおこっていた。

そのあとに、意見を述べた馳知事。
馳知事:
石川県の立場も申し上げさせていただきたいと思います。万が一大きな前提が崩れた場合には、10年前に議論があった米原ルートも検討して欲しいという文言が入っております。
馳知事は政府に対して述べる意見だと前置きしたうえで、京都の課題をクリアするのは難しく、このままでは来年度の着工もできないかもしれないと述べた。

滋賀県知事『臨んでも求めてもおりません』
一方で、富山県知事は「小浜・京都ルートでの全線整備を堅持すべき。」
さらに小浜ルートから米原ルートになった場合、沿線となる滋賀県知事からは…
滋賀県知事:
米原ルートにつきましては申し訳ないですけれども、望んでも求めてもおりませんので、まずこのことは明確に申し上げておきたい。
会場からは小浜ルートのまま、早期着工を求める意見が相次ぎ、大会の決議文には「米原ルートの再検討」の文言は盛り込まれなかった。


これに対し、馳知事は…。
馳知事:
この決議文は現時点において十分だと認識しております。しかしながら京都の7つの課題を解決することは極めて大きなハードルであると申し上げたい。

(石川テレビ)