風俗営業が禁止されている富山市のアパートで、「メンズエステ」と称して性的なサービスを提供したとして、店の代表や富山大学の准教授ら4人が逮捕された事件で、警察は12日夕方、富山大学を家宅捜索しました。

店の代表や准教授らは容疑を認めていて、警察は余罪があるとみて捜査しています。

*リポート
「午後4時40分を回りました。滝谷容疑者が勤務していた富山大学の建物に県警の捜査員が入っていきます」

富山大学の准教授が講義の傍ら、メンズエステ店の経営に関わっていたとされる今回の事件。

富山大学の学生からは驚きの声が聞かれました。

*富山大学の学生(4年生)
「教えていただく先生がそんな先生だったんだなとわかると印象が悪くなる」

*富山大学の学生(1年生)
 (Q.富山大学の准教授が逮捕されたことは知っていた?)
「きょう知りました。授業の担当の先生で明るくて優しい。意外だと思った」

風俗営業法違反の疑いで逮捕されたのは、富山市にある「富山メンズエステKOMOREBI」の代表、宮崎稔之容疑者(39)、店の経営に関わっていた富山大学の准教授、滝谷弘容疑者(49)と富山市の自称・会社員河野竜三容疑者(38)、それに19歳の女性従業員です。

4人は10日午後、店舗型性風俗店の営業が禁止されている富山市のアパートの一室で、「メンズエステ」と称し、男性客に性的サービスを行った疑いがもたれています。

*リポート
「午前9時です。滝谷容疑者を乗せた車が富山南警察署を出ました。身柄が検察庁へ送られます。」

警察は男3人の身柄を12日に富山地方検察庁に送りました。

調べに対し、代表の宮崎容疑者と富山大学の滝谷容疑者、19歳の女性従業員の3人は容疑を認める一方、河野容疑者は容疑を否認しているということです。

事件があったのは、富山市郊外にあるアパート。

県の条例では県内一部の地域を除いて、店舗を設けた性風俗店の営業を禁止していますが、店では男性へのマッサージをうたいながら、性的サービスを提供したとされています。

3年前からアパートの複数の部屋で営業し、毎月の売り上げはおよそ1000万円、累計で数億円に上るということです。

捜査関係者によりますと、店の経営に関わっていた男3人はほかの女性従業員にも同様の性的サービスを指示していた疑いがあり、警察は余罪があるとみて調べています。

また、事件は匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」によるもので、売り上げが暴力団に流れていた可能性があるとみて捜査しています。

富山大学によりますと、滝谷容疑者は総合情報基盤センターに所属し、データサイエンスの研究などを担当。

週に2回ほど学生への講義も受け持っていました。

富山大学は「逮捕されたことは誠に遺憾で、事実確認が取れ次第、厳正なる処分を行う」とコメントしています。

大学によりますと、滝谷容疑者が所属する富山大学の総合情報基盤センターは、大学内の情報システムの「管理・支援」がメインですが、週に2回ほど教養教育の講義を
受け持っていました。

学生に話を聞くと、なかにはきょう12日も滝谷容疑者の講義を受ける予定だったという人もいて、「明るくて優しい人だったのに、驚いた」と話していました。

その一方、滝谷容疑者は「大学の研究や講義に積極的なタイプではない」と話す大学の関係者もいます。

滝谷容疑者がいつから何の目的でメンズエステ店の経営に関わっていたのか。

県警は売り上げが暴力団などに流れていた可能性もあることから、80人態勢で捜査し、店と組織の実態の解明を調べています。

富山テレビ
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