山形・米沢市の寺の江戸時代から伝わるご本尊が、230年ぶりに修復された。1年の歳月をかけた修復の際に最新技術を使って調査したところ、仏像の中に「あるもの」が発見され、驚きのニュースとなった。

修復された普門院のご本尊・大日如来坐像
修復された普門院のご本尊・大日如来坐像
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黒ずんだご本尊を金箔で染め直し修復

米沢市にある普門院の本尊・大日如来坐像は、江戸時代の1800年ごろ、現在の西川町にある湯殿山本道寺から伝わったものとされている。

修復前の普門院(米沢市)のご本尊・大日如来坐像
修復前の普門院(米沢市)のご本尊・大日如来坐像

最近では、230年間の経年劣化や、3年前の福島県沖地震の揺れで台座部分に亀裂が入るなど、損傷が目立っていた。

230年の経年劣化・地震の揺れによる亀裂など、損傷が目立っていた
230年の経年劣化・地震の揺れによる亀裂など、損傷が目立っていた

普門院は、クラウドファンディングなどで全国から300万円の寄付を含め、総額約750万円をかけて2024年4月から本尊の修復を進めてきた。

2024年4月、丁寧に運び出され修復先へ移送された
2024年4月、丁寧に運び出され修復先へ移送された

修復作業がこのほど終了し、5月2日、普門院に戻った本尊の開眼法要が行われた。
集まった檀家など約50人が、230年ぶりに修復された本尊に手を合わせた。

今回修復を担当した上山市の「東北古典彫刻修復研究所」は、黒ずんでしまった表面の金箔の染め直しや、破損した箇所の復元などを行った。

約1年をかけ、表面の金箔の染め直し・破損箇所の復元が行われた
約1年をかけ、表面の金箔の染め直し・破損箇所の復元が行われた

ご本尊の中にさらに2体の仏像が存在

また、「東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター」の協力で本尊の内部をX線で調査したところ、胴体内部に木造の小さな仏像が2体入っていることが新たに判明し、研究者を驚かせた。

X線調査したところ、ご本尊の内部に「仏像が2体」入っていることがわかった
X線調査したところ、ご本尊の内部に「仏像が2体」入っていることがわかった

東北古典彫刻修復研究所・渡邉真吾副所長:
大変大きな成果だと考えている。いったい何を意図して仏様の中に入れたのか、大変興味深い。

「誰が何のために入れたのか興味深い」と、東北古典彫刻修復研究所・渡邉真吾副所長
「誰が何のために入れたのか興味深い」と、東北古典彫刻修復研究所・渡邉真吾副所長

普門院・高橋隆文住職は、「1年間待って本当によかった。一生懸命直していただいたので、このままの形をなるべく長く後世にとどめたい。大日さまと共に歩んでいきたいと思っている」と話してくれた。

「よみがえった姿を末永く後世に伝えたい」と話す普門院・高橋隆文住職
「よみがえった姿を末永く後世に伝えたい」と話す普門院・高橋隆文住職

本尊の「台座」と「光背」の部分の修復は現在も続いていて、全体の修復が終わるのは2025年7月ごろになる見込み。

※高橋隆文住職の「高」はハシゴダカ

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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